6月30日付 動物の喜怒哀楽を写す

熊本日日「素顔の動物園」 

 熊本市動植物園は、熊本市内唯一の公営動物園だ。哺乳類、鳥類、爬虫(はちゅう)類など約120種700匹超を飼育する。園内動物のとっておきの表情やしぐさを紹介する写真連載が、4月3日付朝刊から始まっている。

 デスクを務める岩下勉写真部次長は「新聞に求める写真は何かと複数の知人に聞いたところ、老若男女問わず、癒されるような写真が見たいとの声が多かった」と話す。こうした聞き取りの中で動物写真が候補になった。写真部の横井誠、谷川剛両記者が担当。写真に、動物紹介と飼育員の裏話を添える。

 これまでに30種以上を取り上げた。第1回は「めい想する"美女"」とのタイトルでチンパンジーを紹介。天窓からの光を浴び、寝そべる姿はめい想しているようだとつづった。横井記者は「動物の喜怒哀楽を表現したい。擬人化できた写真は読者に伝わる」と語る。印象に残るのは、キジ科のベニジュケイだ。オスが首を振り、赤と青の喉の肉垂れをエプロンのように広げた瞬間を撮影した。繁殖期特有の行動で、飼育員も見たことがない貴重な姿だという。谷川記者が撮影に苦戦したのは、メガネカイマン。ワニの一種で、目と目の間にある眼鏡のような突起が名前の由来だ。食事の時間を狙い、水面に現れた一瞬を収めた。

 「動物園は大人でも楽しめる場所だと分かった」との感想や、小学生から「毎回、写真を切り取っている。次はどの動物を紹介するの」といった質問も寄せられている。他の取材が入っていない時は、ほぼ動物園に通う二人。カメラを構えていると、よく声を掛けられるという。読者目線に徹し、撮影位置は、来園者が動物を見る場所に限定する。超望遠レンズを駆使して動物の表情を浮かび上がらせる。

 アップで観察すると、動物の表情がよく分かるという。横井記者は、動物園に双眼鏡を持って行くことを勧めている。(福)

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