7月14日付 旧態依然の体制、変革を

高知「激減! 県内少年野球」

 小学生の野球人口が急減している。6月27日に開幕した高知県少年野球選手権の参加総数は68チーム、1080人。人数は5年前に比べて35%減った。6月29日付夕刊から全10回の連載で、少年野球を取り巻く危機的な状況とその背景を伝えた。

 野球離れの原因はこれまで、「少子化」「親の負担の大きさ」「サッカーの人気と手軽さ」など漠然と語られてきた。しかし、取材を通じて浮き彫りになったのは、指導方法や大会運営などでの旧態依然としたやり方が通用しない状況だ。掛水雅彦編集委員は「当事者は野球離れを認識しつつも、問題が解決されてこなかった。そこを具体的に指摘したかった」と連載の狙いを語る。

 野球の指導方針は、チームの監督者任せだ。行き過ぎた指導や暴言、練習や試合で長時間拘束されるなどの長年の課題が残る。一方、サッカー界の取り組みは対照的だ。日本サッカー協会は「プレーヤーズファースト」という全国一律の指針を掲げる。子供たちのプレー環境を最優先し、体力に合わせた試合時間を設定したり、何度も交代できるようにしたりと運営を工夫している。

 サッカー界は普及活動にも力を注ぐ。高知大のサッカー部は日本サッカー協会の補助を受け週2回、少年少女向けの教室を開催。さらに幼稚園・保育園に無料で出張指導を行っている。野球にはそうしたチーム外での指導の場や、低年齢層向けの普及体制が確立しているとはいえない。

 連載の最終回では、部員がたった1人の状況から、選手を集めて本格的に練習できるまでに復活した少年野球チームを紹介した。同級生を呼んでゴムボールで遊ぶところから始めたら、「僕も打たせて」と子どもが集まりだした。「サッカーのようにプレーする子どもが楽しめる環境作りが重要だ。野球関係者に現状を変革すべきだと気付いてほしい」と掛水記者は話した。(梛)

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