9月 8日付 観光や物流、高まる機運

室蘭「フェリー就航 宮古を訪ねて」

 東日本大震災から4年の節目を前にした今年3月10日、川崎近海汽船(東京都千代田区)は、北海道室蘭市と岩手県宮古市を結ぶフェリー定期航路開設の検討開始を発表した。目標は2018年6月。08年の室蘭―青森航路廃止以来、室蘭にとって念願の定期航路開設となる。記者が宮古を訪れ、観光・物流業者、住民の声など、就航に向けて高まる機運を伝えた。

 就航の検討決定以降3回目の連載企画で、「宮古の財界や地元の人が就航をどう考えているか」(野田龍也編集局長代行)に焦点を当てた。室蘭では航路の活性化が地域経済を潤すとの考えから、利用者増に向けた取り組みを官民一体で進める。しかし、「宮古の反応は伝わってこなかったため、読者に現地の反応を伝えたかった」(野田氏)。

 宮古観光文化交流協会の会長が「"行き止まり"だった宮古の物や人の流れが大きく変わる。観光や経済効果は計り知れない」と話すように、宮古側も定期航路の開設に好意的だった。

 フェリー就航で期待されるのは物流の促進だ。岩手県はフェリー岸壁の整備を進め、集荷の便宜を図ろうと港湾の利用促進計画を策定している。室蘭―宮古間の航行時間は10時間。労務上の理由から長距離トラックの運転手は1日8時間以上の休息時間が定められているため、休憩を取りながら長距離の移動が可能な航路はトラック業界関係者にとって待望のルートだ。

 「両地域の住民間の交流を進めることで、フェリー就航の機運も盛り上げていきたい」と菅原啓報道部記者。菅原記者は東日本大震災からの復興に向かう宮古の街を歩き活気を感じる。一方、住民が復興特需の終わりを予感し、その後の生活に不安を抱いているとの印象を受けたという。「就航を足掛かりに、さらなる活気が生み出されるために、双方の取り組みを伝え続けていきたい」と述べた。(新)

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