10月 6日付 企業が社会復帰を後押し

神奈川「人は変われる 更正支援の現場から」

 少年院や刑務所を出た人の再犯を防ぐため、日本財団は2013年に就労を支援する「職親(しょくしん)プロジェクト」を立ち上げた。協力する中小企業が職場を提供して、社会復帰を後押しするというものだ。しかし、これまでに雇用された31人のうち、6か月の就労体験後も働き続けているのは9月末現在でわずか8人だという。

 9月27日から全3回の連載は、神奈川県内で唯一プロジェクトに参加する建設会社セリエコーポレーションで働く出院者、同社の社長、罪を犯した人の立ち直りを支える保護司を取り上げた。小田原支局の山崎哲記者(連載時は横須賀支社報道部)は「更生支援の実情はあまり知られていない。プロジェクトに関わる人達の活動や思いを紹介したかった」と話す。

 今年2月の出院後、同社の寮に住んで働く21歳の男性に焦点を当てた。無遅刻・無欠席を続け、高所作業に必要な資格を取得するなど、積極的に仕事に取り組んでいる。男性を受け入れた社長は自らも非行に走った経験を持つ。とび職の経験を積んで独立した後、罪を犯した若者の更生を信じて支援に関わってきた。出院者らに自信を付けさせるために、しっかりとあいさつをする、遅刻しないなど達成しやすい目標の設定を心掛けているという。

 「取材を進める中で、出院者らを無償でサポートする保護司の役割が大きいと知った」(山崎記者)。連載では、定期面談で話を聞いたり助言したりする保護観察といった保護司の仕事を紹介。8月に男性が保護観察処分を終えるまで、親身になって見守った保護司の姿を伝えた。

 山崎記者は、まじめに仕事に取り組む男性を「人は変われる」との思いで支援する人たちが印象的だったという。「更生には偏見なく接する周囲の支えがあることをしっかりと伝えたい」(梛)

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