3月 1日付 お金使わない若者たちの思い

 北日本「なくても幸せ? うちらのお財布事情」

 最近の若者は「お金を使わない」と言われる。必要最小限しか物を持たない「ミニマリスト」と呼ばれる人が現れる一方、友人らとの思い出づくりなどには出費を惜しまない人もいる。若者が何にお金を使い、使わなくなったのか。背景にある将来への不安に目を向けつつも、自分たちなりに楽しく生きていこうとする姿を、1月9日付から8回にわたって伝えた。

 室井秀峰文化部次長は「若者たちは、漠然とした将来への不安を抱えており、多くのお金を使えない状況がある。無駄遣いをしたくない一方、自分たちにとって大切な物にはお金を使っている。そうした彼らの姿を、上の世代を含めて幅広く伝えようとした」と振り返る。

 ブランド品を身に着けず、インターネット上で洋服の貸し出しサービスを利用する大学院生、堅実だが友人への誕生日プレゼントにはお金を惜しまない会社員、マイホームの資金を貯めるためそれぞれの実家に別居中の20代の夫婦らを取り上げた。

 文化部の河波まり記者は、取材した若者たちの誰もが年金など老後の公的な支援を受けられるかどうか不安に思っていたと強調する。そうした中でも「悲壮感ではなく、友人らとの関係や旅行などの体験にお金を費やし、今を楽しみながら生きている姿を伝えたかった」と語った。

 取材を進める中で、リサイクルショップなどで安価な服しか買わないという若者にも出会った。「買えない」という厳しい現実を感じ、明るさを大切にした今回の連載では取り上げなかったという。

 河波記者は「若者の貧困にもつながる深刻な問題だ。別の観点から捉えるなどして、今後報じていくことも考えたい」と話した。(斎)

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