11月 8日付 障害児との共生に密着

東奥「特別支援を真ん中に~垣根のない教育目指して」

 むつ市立苫生(とまぶ)小学校には約550人の児童が通う。特別支援学級に在籍するのは24人。教科により支援を要する通常学級の児童を含めると、何らかのケアが必要な子供は約100人に上る。

 知的障害、注意欠陥多動性障害、アスペルガー症候群、学習障害。能力を伸ばすための支援は一人一人異なる。苫生小は教職員18人で作る支援チームが100人の状況を常に把握し、臨機応変に学習計画を組む。目指すのは必要なときだけ個別指導する「囲いのない支援」。むつ支局の加藤彩美記者が密着し、上十三(かみとうさん)下北版に10月4日付から連載した。全6回。

 5年2組の加藤遥翔(はると)君は4月、札幌市の養護学校から転入した。両手足と体幹にまひがあり、車いすを使う。通常学級と特別支援学級を行き来しながら学ぶ。

 昨年度まで5年生の教室は3階にあった。多目的トイレは1階のみ。車いす用の昇降機はなかった。市教委は遥翔君の両親に養護学校や肢体不自由特別学級のある別の小学校を紹介したが、両親は「社会性をより高めたい」と苫生小を希望する。

 遥翔君を迎えるにはどうすればいいか。教職員が当時4年生の全クラスに話し合わせた。結論は「一緒に勉強するために教室を1階にする」。連載を統括した近藤弘樹むつ支局長は「障害がある人に合わせる発想が自然と生まれてくる。驚きだった」と語る。

 1年生の国語の授業では音読に合わせて、文章に登場する動物や植物の写真を示す。視覚化で認識しやすくする「ユニバーサルデザイン」の手法を取り入れた。障害児が通常学級で学べるよう工夫を重ねる教師の試行錯誤も伝えた。

 林順一郎校長からは「いつ見に来てもいい」と取材に全面協力を得た。加藤記者は「学校全体で違いを尊重し支え合う姿が印象に残った」と語った。(有)

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