11月15日付 激化する生き残り競争追う

信濃毎日「転機の県内大学」

 大学教育を巡る風景が大きく変わろうとしている。昨年の第1部(7回)、第2部(5回)に続いて10月22日から第3部「激変前夜」5回を連載。少子化で厳しい競争にさらされている大学の動きを追う。

 長野県は10月、県短大(長野市)を四年制の長野県立大学に移行するための申請を文部科学省に出した。2018年の開学を目指す。新たなロゴマークも公表した。

 17年には長野大(上田市)が公立に転換、松本大(松本市)は県内私大初の教育学部を新設する。諏訪東京理科大(茅野市)は経営情報学部を工学部に統合し18年に公立の単科大として再出発する。19年には2大学で看護系学部・学科の開設が控える。

 数年後には国内の18歳人口が減少に転じる。加えて長野県には、受験生の8割が県外の大学に進むという固有の事情がある。「このままでは生き残れないとの危機感が再編を加速させている」。報道部の小松哲郎デスクは語る。

 長野県立大は四年制移行に伴いグローバルマネジメント学部を新設する。国際的に活躍できる人材を育成するとして、2年次に海外の大学で英語を学ぶプログラムを取り入れる。しかし年初に実施した高校1年生(現2年生)を対象とするアンケートでは入学希望者は2%未満にとどまる。広報のてこ入れが喫緊の課題だ。

 公立化する長野大の年間授業料は58万円から53万5800円に引き下げられる見込みだ。施設整備費・研究演習費は31万円から18万円になる。負担軽減は保護者には魅力的だ。

 これから受験シーズンを迎え、志望校選びが本格化する。小松氏は「県内校も有力な選択肢になるだろう。大学側の取り組みが受験生にどう伝わっているのか次の連載で取り上げたい」と語る。(O)

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