6月27日付 脱一極集中へ地域愛育む

山陽「Lの時代へ 歪(ひず)みを超えて」

 人、モノ、カネを吸い上げ自己増殖を繰り返すメガロポリス東京。それは地方の衰退と表裏一体をなす。

 連載は元日から始まった。序文に「一極集中を超えて、新たな社会を紡ぐ時が来た。その未来をローカルのアルファベットの頭文字を象徴に、『Lの時代』と呼びたい」と記した。

 1部「膨張都市」、2部「一極集中の理由」、3部「田園回帰」、4部「地域学のススメ」と続き最終の5部「回る経済」が、6月24日に終了した。掲載本数はインタビュー編を含めて80本を超えた。

 「一極集中がなぜ進み、〝ふるさとを捨てる教育〟がなぜ広まったのか。調べると意外に文献が少ないことが分かった」と岡山一郎編集委員室長。取材班はこつこつと資料を掘り起こす。シンクタンクに調べてもらったデータもある。

 東京の勢いは2020年までとも言われているが、取材を進めると様子が違った。その成長が一極集中の解消につながると期待されたIT業界もやはり東京優位。相続マネーは首都圏の金融機関に流れ込む。ベンチャー企業への投資も東京が圧倒、地方で利益を生んでも吸い上げられる。流通王手は、電子マネーで地方の顧客を囲い込む。

 こうして東京だけが変わっていく。では脱一極集中へ向けた在り方とは何か。まずは地域への愛着を育てることだ。第4部では高校を中心に、地域の担い手を育てる地域学の取り組みを伝えた。背景には「これまでの教育には地域との関わりが抜け落ちていた」「いい大学からいい企業へという教育のベクトルを変えよう」という地方の意識の変化がある。

 子や孫のことを考え少し不便でも地元の商店から購入する、公共工事や事業の入札などの調達も地元を優先する―。「地域ファースト」の重要性を訴えて連載は終わった。(S)

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