3月13日付 成長時代の価値観転換を

岐阜「ぎふ 人口減を生きる」

 岐阜県は2045年の県内人口を151万人と予測する。現在と比べ50万人の減少。育児世帯の孤立や働き手不足など課題も山積する。止められない流れに向き合う人々の姿を年間連載で伝える。

 元日付からの第1部は「産み育てる」。2部は「学ぶ」、3部「働く」と、ライフステージに沿って展開する。沢野都・報道部デスクは「難しい課題を『自分ごと』として捉えてもらうため」と構成の狙いを語る。今後のテーマは結婚、老い、そして死。

 県内の年間出生数は約1万5千人。死者数を下回って久しい。核家族化や都市化が進み、子育てに周囲の協力が得にくくなった。「孤育て」を防ぐ対策がなければ少子化はさらに進む。

 出産後の家事や育児を支援する「産後ドゥーラ」を紹介した。県内に2人いるドゥーラの1人、大垣市の小川溶子さんは3児の母親。上の2人の育児では10キロやせたという。3人目の子育ては成長した2人の手助けもあり、支援の重要性に気付き資格を取った。

 働き手不足と言われる中でも、女性が出産や子育てを機に一度離職する傾向は根強い。キャリア継続への理解が進まず、制度も整備されていない。

 岐阜市の上松恵子さんは学童保育所設立に向け準備を進める。学区内に両親が住んでいるなどの理由から学童保育の選択が閉ざされ、フルタイムの仕事を辞めざるを得なかった。「女性が働きたくても働けないままでは、自分の娘も同じ思いを味わってしまう」

 沢野氏は「連載を通じ、右肩上がりの時代の価値観を変える必要性を伝えたい」と語る。それは記者にも求められるとも。合同編集会議を開くなど、多くの記者が参加できる仕組みを作る。「積極的に企画の提案がある。問題意識は共有されている」と手応えを語った。(新)

ページの先頭へ