6月12日付 町内会の防災機能問い直す

十勝毎日「細るつながり」

  帯広市の町内会加入率は2017年の調査で63.21%。統計をさかのぼれる04年と比べ、9ポイント減少した。幹部を長年務めた男性は「このままでは人の心まで冷たい『寂しい街』になる」と危惧する。

 地域のつながりが薄れつつある中で、町内会が地域防災に果たす役割などにあらためて光を当てた。3月27日付から全6回。社会部の池谷智仁記者ら6人が取材した。

 町内会は生活安全、街路灯設置など行政機能を補完する。市との連携は欠かせない。しかし、町内会を率先して引っ張る役割が期待される市職員の加入率も63.64%(16年時点)にとどまる。

 市が公表したこの数字は波紋を呼んだ。十勝毎日の社内でも「町内会の意義そのものを問い直す時期にあるのではないか」との声が上がったという。

 こうした中、連載では自主的な防災活動に着目した。相次ぐ地震や水害で住民の危機感は強い。市北部の報友町内会は八つの防災班による集団避難の体制を作った。近隣の病院の協力も取り付けた。病院を拠点に情報収集や負傷した住民受け入れの訓練をする。

 取材に応じた大久保褜男(けさお)会長は、自主的な活動の蓄積がいざというときに力を発揮すると説いた。ただし「町内会は防災だけを考えてはいけない。日ごろからの人間関係をうまくやらないと」とも。

 帯広市は核家族化が進み、地域とのつながりが薄れて加入率が下がったと池谷記者はみる。自身の体験から「支局時代には熱心に勧誘されたが、帯広市ではそれがなかった」と話す。

 しかし約17万人の人口規模では市も大都市並みのサービスは提供できず、町内会に頼る面が大きい。高齢化と人口減少が進む中、引き続きこの問題を追う。(路)

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