10月 4日付 選択に堪える政策示せ

結束できぬ体質に苦言も

 民進党は9月15日、蓮舫代表代行を新代表に選出した。蓮舫氏は前原誠司元外相と玉木雄一郎衆院議員を大差で破った。女性の代表は民主党時代を通じて初めて。低迷する党勢の回復が課題となる。各社の16日付の社説は蓮舫新代表に対する注文が相次いだ。

 代表選では、「二重国籍」問題に注目が集まった。蓮舫氏は台湾籍が残っていたが、毎日は「きちんと放棄手続きを取っておくべきだった。それ以上に問題なのは、国籍という基本的な問題で説明がぶれたことだ。野党第1党の党首としての資質にすら疑問符がつく軽率な対応である」と強調。北海道は「二重国籍を認めた記者会見が党員・サポーターらの投票終了後に行われたことで、代表選の正当性を疑問視する声も出ている」と指摘し、「仮に手続き上の瑕疵(かし)でも、国籍の現状を把握できず、釈明も後手に回ったとの批判は免れない」と断じた。産経は「もし、外国籍を有する政治家が自衛隊の最高指揮官となる首相や、国家機密を扱う閣僚に就くことになったらどうなるのか。蓮舫氏は旧民主党政権時に閣僚を経験しているが、そうした問題意識を欠いていた」と批判した。

野党共闘どうする

 当面の焦点は、野党共闘の在り方だ。読売は「衆院選での共産党との連携は、現実的な政策合意が前提となる。共産党の票欲しさに、隔たりが大きい安全保障政策などで妥協を重ねることはないのか。民進党の主体性の確保が問われよう」と主張した。北國も「蓮舫氏は共産党との連立政権について『綱領や政策が大きく違う政党と一緒の政権はあり得ない』と否定する一方、選挙協力の継続には含みを持たせている。だが、政権構想と選挙協力を分けて考える論法がいつまで通用するのか」と疑問を呈した。

 中日・東京は「民進党は具体的な政策づくりに直ちに着手すべきだ。二年以内に行われる衆院選までに、政権選択肢となり得る政策を有権者に示さなければ、党の存在意義はない」と呼び掛けた。具体的な政策課題として、神奈川は「骨太の国会論戦を通じ、憲法改正の論点を国民に丁寧に説くことこそ、野党第1党の重大な責務と心得てほしい」、中国は「7月の参院選の結果を見てもアベノミクスに一定の信任があることは確かだ。民進党は単に『失敗だ』と批判するだけでなく国民の信頼に値する経済政策を示すことが求められよう」といった点を挙げた。

 一方、日経は「政策をしっかりと詰めることは大事である。ただ、それ以前にすべきことがたくさんある。旧民主党政権を崩壊させた結束力のなさ、決めたことを守らないガバナンスの欠如などは改まっただろうか」と党の体質を問題視した。朝日は「議論は活発に行い、党として決めた後は結束してことにあたる。新代表のもと、そんな政治文化を今度こそ育ててほしい」。また、「党内外の多様な意見を取り込み、説得力ある政策体系に練り上げていく。そんな柔軟さも新代表には求められる」と要望した。

批判より対案を

 安倍政権批判より対案を求める論調も目立った。

 山陽は「民進党は、安倍政権との対決姿勢を強調することに躍起になるあまり、ともすれば批判に終始するきらいがあった。そうした姿勢が国民の十分な理解を得られていないことは、支持率の低迷を見ても明らかだろう。経済政策や社会保障の充実策などで現実的な対案を練り、与党との対立軸をしっかり打ち出していけるか」と論じた。山梨日日は「憲法改正に、どんなスタンスで臨むか、政権党時代に自公両党と合意した消費税再増税をどう扱うか、やはり政権党時代に関係国と協議入りした環太平洋連携協定(TPP)にどう対応するのか―。党内で議論の沸騰が予想され、とかく棚上げしてきた不都合な課題に正面から立ち向かい、安倍政権への対抗軸が示せるかが問われよう」と、民主党政権時代からの課題に言及した。

 信濃毎日も、蓮舫氏が「人への投資」の財源として行政改革や予算の組み替えを主張したとして、「難しさは旧民主党政権でも経験している。『事業仕分け』による予算の削減は、目標の額に遠く及ばなかった。過去の失敗を踏まえ、道筋や方策を示さなければ説得力を持たない。とりわけ社会保障と税負担の在り方は詳しく聞きたい点だ」と説いた。福島民友は「東日本大震災と原発事故の発生は、民進党の前身の民主党政権時だった」と前置きし、「与野党の枠を超えて復興を着実に前に進めるためにも、最大野党としての役割をしっかり果たしてもらいたい」と注文をつけた。西日本は「政治から緊張感は失われ、『政権交代可能な二大政党制』は崩壊の危機にひんしていると言っても過言ではあるまい。野党の存在意義が根底から問われている」と警鐘を鳴らした。(審査室)

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