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2009年 1月27日
前向きな生き方で地域明るく

日本海「自照自輝」

雇用不安が高まり、閉塞感が広がる時代だからこそ、前向きの生き方は光を放つ。いかに自らを照らし、輝くかという意味を込めたタイトルの一面年間企画は、そうした人たちを追う。第一部「働く」は三日スタートで六回。離職と復職、派遣社員、ニート・フリーター、女性と出産、定年延長、UIターンを取り上げた。

鳥取市の介護福祉士は長女出産後、特別養護老人ホームに復帰したが、「長女の成長リズムを振り回している」と悩んだ。辞めたいと上司に言ったこともあったが、夜勤のないデイサービスセンターに移れるよう配慮され、プロ意識に目覚めた。昨年十月に派遣会社に登録した二十代男性二人には、それぞれマイホーム建築、ジャズバー経営という夢がある。OA機器販売の米子営業所で、正社員になれる可能性に期待してはいるが、「会社にとって必要な人材になればいい」と思っている。自宅で過ごす日々が続いた日野郡の三十代男性は、高齢者宅の訪問ボランティアに加わるうちに就労意欲がわき、いまガソリンスタンドで働く。

鳥取市内のカフェの三十代女性オーナーは、客が何度も通ってくれるのがうれしく、子育てと両立させている。倉吉市の自動車部品の製作所で契約社員として再雇用されている六十五歳男性は、ベテランの技術力が売りもの。革製品の制作工房の三十代オーナーは、故郷の広島市から妻の出身地である米子市へのIターン組。県外者の視点で地域活性化に努める。

第二部以降は文化、食などの世界を扱い、六部まで。第一部は本社・中西理恵、河崎誠、大久保美帆、中部本社・石原美樹、西部本社・岡宏由紀、松江支社・今岡浩明の各記者が担当。森原昌人編集制作局長は「暗い話ばかりの時代に、前向きの人生で地域を元気づけたい」と語る。(審査室)

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