2010年 6月22日
20年後見据え、いま行動を

宮崎日日「人口減未来図」

2005年の国勢調査を基にした将来推計人口によると、宮崎県の05年人口は115万3千人だが、30年には100万人を割り込み、96万2千人にまで落ち込む。

本格的な人口減時代に突入し、社会は根本的な転換を迫られている。高齢者が能力を発揮でき、社会の役割を担える場をつくる一方で、高齢者が安全・安心に暮らせる社会の実現も欠かせない。地方・宮崎からの視点で人口減時代の明るく豊かな「未来図」を、「創刊70周年企画」として1面で1月3日から開始。

第1部は「2030年ミヤザキ」(7回)。30年には全県人口の5人に1人が75歳以上になる。元気に働く高齢者の姿が見られる半面、「独居老人や老老介護が増え、病院は患者があふれて急患に対応できなくなる」と医療関係者は懸念する。

出生数から死亡数を引いた「自然増減数」は03年にマイナスに転じ、08年には過去最悪の1640人減となった。少子化―小児科医減少の悪循環が招く小児救急の「空白地帯」の広がりが深刻な問題との指摘も。

第2部「旧式ミヤザキを問う」(3月、8回)は、人口増を前提とした社会システムや住民意識の現状を問う。やみくもに「造る時代」は終わり、何を造り、既存のものをどう活用するのか。農業、医療、行政サービス、まちづくりなどの「未来図」を描くには、県民意識の転換が鍵だと提言する。

準備中の第3部は「宮崎の資源の再発見」をテーマに、マンパワーの有効活用や地域活動の活性化策など人口減社会を乗り切る方策を探る。
 「人口減少問題は都市部より地方が進んでいる。行動に移す必要性を読者に提起していく」と担当デスクの俣野秀幸報道部次長は語る。各部横断的な取材班を編成し、10人前後の記者が担当している。(審査室)

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