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2010年 7月13日
変わる地域、未来図どう描く

新潟「ムラよ」

農業や先祖伝来の土地にしがみつかない考え方が若い世代に広がり、変わりつつあるムラ。そこに暮らす人々は、どんな生活を営み、どういう未来図を描いているのか。1~6月、6部仕立てで計38回、生活面で追った。

第1部「生きている松之山」は、25年前の連載「ムラは語る」で扱った旧松之山町(現十日町市)が舞台。同世代の農業離れが進む中、棚田の景観を生かして観光と農業の両立を図る若者の構想が芽生えていた。松之山温泉街では、宿、物産店、タクシー業者が旅行会社を結成、観光需要を掘り起こしている。

第2部「奥阿賀越冬もよう 老いを見守る」では、高齢者が冬をしのげるようにと行政が用意した住居やクリニックによる患者無料送迎などを紹介。第3部「教育の島から 少子化進む佐渡」では、島に大学・短大がないため「いつか島を出るなら」と高校から島外に進学するケースや、塾顔負けの受験指導をする地元高などを取り上げた。 

第4部「支え合う妙高  介護福祉の現場で」は介護職員、ホームヘルパー、ボランティアの福祉協力員らの役割の大きさを強調。第5部「地域を守る 人をつなぐ」では地域誌編集者、Iターン者の世話役ら元気印の人を通して、ムラを支えるヒントを探った。

第6部は「入広瀬 政治の光は今」。田中角栄元首相の後援会である「越山会の村」と呼ばれた魚沼市内の地域は人口減が止まらず、医療に介護に悩みは深い。国の補助金を使った施設が毎年のように建った「ハコモノ頼り」が今は市財政を圧迫、本当に必要な施設の選択を迫られている。

報道部企画報道班を中心に7人の記者が担当。小林啓之・同部企画報道担当部長は「厳しい現状を通してムラに何が必要なのか、考える題材を提起した」と語る。(審査室)

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