2011年 9月27日
テーマでつながる人々

山梨日日「すけっこの流儀―支え合いネットワークを考える」

「すけっこ」は甲州弁で「助け合い」の意味。地域コミュニティーが果たしてきた「支え合い」機能が喪失するなかで、問題を共有する人同士が連携しようというネットワークに注目。現代の「すけっこ」の在り方を探る企画を1面に連載中だ。

第1部「避難者がいる町で」(6月、5回)は、福島第一原発周辺からの避難者と交流する人々。臨床心理士の女性は被災者の心に寄り添おうと避難所に通う。定年男性グループは焼きそば会を開いて親睦を図る。女性同士の細やかな支援をする朝市仲間。子どもたちの遊び場づくりも急造の「保育」ネットが引き受けた。「力になりたい」という思いで輪が広がる。

第2部「ともに育つ」(7月、9回)は「共育ちの会 あ・そ・ぼ」と「不登校の子どもたちの居場所 ひなたぼっこ」という二つのグループの活動を紹介。子どもを育てつつ親たちも成長しようとたまり場をつくって集まり、悩みを語り合いながら人形劇や児童養護施設への訪問などの活動を行う。親子がほっとできる心地よい居場所を目指し、緩やかなつながりで支え、支えられる。

第3部「地域に元気を」(8~9月、7回)は「談話室コロボックル」と「かつぬま朝市」が舞台。談話室はコミュニティーカフェを運営。来店客の談話の中から、森林間伐と「婚活」を兼ねたイベントや耕作放棄地を利用した震災被災地向け農作物作りなどの活動を企画する。9年前に3店で始まった月1回の朝市は、今では150店もの店が並ぶ交流の場になった。

「旧来の地縁・血縁ではなく、テーマごとにつながる新しいコミュニティー再生の芽を紹介していきたい」と担当の高橋一永デスク。取材班は前島文彦、樋川義樹、雨宮悠希、川手一正記者と写真の広瀬徹記者。来春まで続く予定だ。(審査室)

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