2012年 3月20日
基礎学力向上の方策は

釧路「地域が支える子どもの未来」

地域にとって将来を担う子どもは大切な財産だ。だが北海道では今、子どもたちの基礎学力の低下が問題となっている。全国平均を下回っている道にあって、釧路、根室地域は道平均を下回る水準といわれている。

基礎学力ばかりではなく、文化活動や生活態度なども含めて、家庭や地域が子どもたちの健全育成に向けてどのように対応していくべきか。年間キャンペーンとして、地域の子どもたちを取り巻く問題を浮き彫りにし、方策を考えた。

1月1日付特集号で釧路市内の教育関係者や北海道教育大教授ら4人と、春日井茂釧路新聞社社長による座談会を掲載。6日付までの連載で、学力向上へは「子どもたちが『分かった』『できた』という達成感や充実感を実感できる学習をつくり上げる」必要性や、小中高の連携を積極的に進め、家庭や地域を含めて生活全般で多面的に対応する重要性が提言された。

2月1日からの1面連載第1部「学力向上なるか」(5回)は、4月から全国の公立中学校で実施される新学習指導要領をめぐる教育現場の声を取り上げた。新要領では授業時間が増加するが、教育関係者の間では「教師が生徒に個別指導する時間が取れず、結果的に学力の二極化がおこる」との懸念も出ている。

一方、授業の中で教師と生徒が向き合う時間ができる。保護者からは「基礎学力を身に付けることにウエートをかけてもらいたい」などの要望も集まる。また保護者が学校教育に参加し、地域で子どもたちを育てる学校を目指すために「教育の可視化」も指摘された。

「基礎学力の低下に危機感が広がっており、学校、家庭、地域で必要となる取り組みを探っていきたい」と堀口義彦報道部長。2部以降では学力の現状や課題、向上への取り組みなどを紹介する。(審査室)

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