2009年 9月8日
国民は「変革」選んだ

民主圧勝の総選挙をめぐる社説
新政権の審判これから

第45回総選挙は8月30日に投開票され、民主党が単独過半数を大きく上回る308議席を獲得して圧勝、政権交代を果たした。自民党は公示前の300議席から119議席に激減する惨敗を喫し、公明党も小選挙区で全敗して党首、幹事長が落選した。歴史的な政権交代をもたらした選挙結果を受けた31日の48本の社・論説から。

最大の勝因は自民の失政

《歴史的転換点》秋田「まさに日本政治の歴史的転換点である。(略)これほどの大差が現実のことになると、『地殻変動』という表現も決して大げさではなくなる」、毎日「国民は断固として変化を選んだ。歴史に刻まれるべき政権の交代である。(略)投票による政権交代という民主主義本来の機能回復を、私たちは政治の進歩として率直に評価したい」、長崎「ともかくも日本の政治において政権交代が実現したこと、それ自体の歴史的な意義を評価しよう」、京都「小選挙区比例代表並立制の導入から13年、ようやく国民が政権を選べる政治状況になったということだ。英米にみられる本格的な二大政党制へのとば口に立ったと言える。時代の転換点に間違いない」。

《自民に「ノー」》下野・日本海など「有権者は自民、公明の連立政権に明確な『ノー』を突きつけ、民主党に政権を託す根本的な『変革』を選択した。(略)民主党の最大の勝因は、今の閉塞(へいそく)状況を招いた自民党の『失政』(にある)と言えるだろう」、読売「このような民意の大変動の要因は、自民党にある。(略)構造改革路線の行き過ぎ、指導者の責任放棄と力量不足、支持団体の離反、長期政権への失望と飽きが、自民党の歴史的敗北につながったと言えよう」、中国「政権交代以外の対立軸はかすんでしまった感もある。民主を大勝させたいというより、自民党を大敗させたい。有権者には、そんな意識の方が強かったのではなかろうか」、日経「かつてない敗北となった自民の今後はいばらの道だろう。(略)政権交代可能な二大政党制を定着させるために、自民は文字通りの『解党的出直し』に取り組む覚悟が求められている」。

《期待と不安と》朝日「民意は民主党へ雪崩をうった。その激しさは『このままではだめだ』『とにかく政治を変えてみよう』という人々の思いがいかに深いかを物語る。では、それが民主党政権への信頼となっているかと言えば、答えはノーだろう。(略)期待半分、不安半分というのが正直なところではあるまいか」、産経「これまでの内政・外交の基軸は大きく変わらざるを得ないだろう。(略)場合によっては、日本を混乱と混迷の世界に投げ込むことにもなりかねない。政権交代が日本を危うくすることもあるのだ。(略)国の統治を担う以上、民主党には国益や国民の利益を守る現実路線に踏み込んでほしい」、西日本「不安がないと言えばうそになる。試行錯誤の実験が繰り返されるだろう。停滞や混乱も、覚悟せねばなるまい。しかし、そうしたリスクは百も承知のうえで、有権者は民主党に政治の再生を託した。歴史的使命を担う鳩山氏と民主党の責任は極めて重大である」。

《問われる力量》静岡「民主党が圧倒的な支持を得たのは、国民の期待の表れと言っていい。内政、外交とも課題山積で、待ったなしだ。問われるのは、これからである」、神奈川「有権者はまず政権交代へ一票を託した。野党から政権与党の立場に変わるわけで、公約への審判はこれからだと考えてほしい」、佐賀「政策を間違えれば、一気に支持が傾くことも考えられる。政権党として民主党が今度は重い責任を負う。政策の実行力が試される」、信毎「民主党が国民の期待に応えられなければ、民主党を政権の座に押し上げた風は次は逆風となって吹き付けるだろう」、琉球「巨大化で数の論理を振りかざし、民意と異なる法案の強行採決を繰り返した自公政権の二の舞いだけは勘弁願いたい」。

有権者は主体的に監視を

《新しい政治へ》北海道「今回の選挙は、有権者が政権を選び取るという民主主義のダイナミズムを如実に示した。同時に、自ら生み出した『新しい政治』を国民として厳しく見詰め、日本の民主主義を鍛えていく責任も負った。傍観者としてではなく主体的に政治を変革する。有権者の意思と覚悟が求められる」、中日・東京「経験のない数を得た民主は無駄なく巨体を動かす秩序づくりが急務だ。死屍(しし)累々の自民は後継総裁選びと党再建に追われよう。大量議席に政権側がおごり、落城した側が混迷を続けるなら、政党政治は壊れ、二大政党制も幻となる。監視が必要だ」、神戸「大切なのは、この政権交代を日本の政治システムに根付かせ、将来の希望につなげていくことだ。初めて政権を担う民主党はもちろん、ほかの政党や、国民にもその視点が欠かせない」。(審査室)

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