2012年 11月28日
見えにくい対立軸

衆院解散・総選挙をめぐる社説 
各党は具体的な公約掲げよ 

「近いうち」の約束から100日。野田佳彦首相は16日、ついに衆院を解散した。党首討論で、早期解散を迫る自民、公明両党に来年の通常国会での衆院定数削減という条件を突きつけての急転直下の解散劇。日本維新の会と太陽の党が合流するなど、第三極の離合集散も加速した。民主党政権3年余の評価や新たな政権の枠組み、日本の針路が問われる総選挙は、12月4日公示、16日投開票で行われる。約120の社・論説から。 

「近いうち」から3か月 

《決断》読売「突然の衆院解散の表明だった。民主党内で早期解散への反対論が噴出する中、乾坤一擲(けんこんいってき)、中央突破を図ったのだろう。(略)内閣支持率が低迷しており、次期衆院選では、民主党の大敗も予想される。首相があえて解散・総選挙を断行することは、見識ある、重い決断と評価できる」、日経「自公両党が繰り返す『近いうちと言って3カ月たっても解散しない嘘つき』との攻撃は、首相には相当こたえていたようだ。民主党全体としても、選挙をこれ以上先延ばししても今よりも明るい展望は開けまい。ここが潮時だ」。 

《失望》毎日「09年マニフェストに掲げた約束は財源破綻で総崩れ状態だ。政治主導は実現せず、内紛やお粗末な閣僚更迭を繰り返した。議員の離党も止まらず、衆院で300を超していた与党は過半数割れした。(略)国民の期待が高かった分、失望の強さを覚悟すべきだ。政権運営を真剣に総括し、責任ある公約を示さねばならない」、信毎「有権者の期待が、安倍総裁が率いる自民党に向かうかどうかは不透明だ。民主党が09年に政権の座に就いたのは、安倍晋三―福田康夫―麻生太郎内閣と続いた自民党政権への有権者の失望からだった。これまでの経緯を踏まえると、『政権交代可能な二大政党』のいずれも、信頼の低下を招いたと言わざるを得ない」。 

《懸案》産経「特例公債法や衆参両院の『一票の格差』是正の関連法成立は、消費税増税法を成立させた民主、自民、公明3党の協力の枠組みの成果だ。総選挙後も参院のねじれは解消しないとみられ、今後も維持せざるを得ない」、上毛・岐阜・長崎など「今回の総選挙が、最高裁が判定した『違憲状態』で行われることも指摘しなければならない。衆院小選挙区の格差を是正する『0増5減』は成立したが、実際の是正は間に合わない。懸案を放置してきた与野党に猛省を促し、選挙後速やかな対処を求めたい」。 

《争点》北海道「『近いうち』解散は消費税増税の是非を国民に問う狙いで表明されたものだった。その争点をぼかすようなことがあってはならない」、山陽「衆院選では消費税増税の是非だけでなく、原子力・エネルギー政策や環太平洋連携協定(TPP)、日中・日韓の外交政策など多くの課題が争点となる。二大政党の対決だけでなく、新党設立の動きも著しい。ところが有権者にとっては、選択肢も対立軸もいまだ見えにくいのが現状ではないか」、朝日「第一に、原発・エネルギー政策である。民主党は『30年代原発ゼロ』を打ち出した。ならば、もう一歩踏み込み、そこに至る工程表もあわせて示してはどうか。これに対し、自民党の安倍総裁は『原発ゼロは無責任』と批判する。では、安全性をどう確保し、使用済み核燃料の管理・処理をどうするのか。納得のいく説明がほしい」。 

第三極「野合」は崩壊する 

《新党》京都「注目を集める『第三極』では、橋下徹大阪市長が率いる日本維新の会と、石原慎太郎前東京都知事の太陽の党が正式に合流を発表した。(略)一方で、数日前に発表したばかりの太陽の党と減税日本との合流は白紙になった。政策が共有できないとの理由だ。政策の一致が重要なのは確かだが、わずかな期間での合流方針の変更はむしろ、政策を二の次にした選挙対策の色合いが濃い」、高知「第三極で『大連合』をつくるのなら、政策を軸とする結集が必要だ。それが『溶解』の様相を呈している民主党政権の教訓であり、政策で一致しない『野合』はいずれ崩壊する」。 《新党》京都「注目を集める『第三極』では、橋下徹大阪市長が率いる日本維新の会と、石原慎太郎前東京都知事の太陽の党が正式に合流を発表した。(略)一方で、数日前に発表したばかりの太陽の党と減税日本との合流は白紙になった。政策が共有できないとの理由だ。政策の一致が重要なのは確かだが、わずかな期間での合流方針の変更はむしろ、政策を二の次にした選挙対策の色合いが濃い」、高知「第三極で『大連合』をつくるのなら、政策を軸とする結集が必要だ。それが『溶解』の様相を呈している民主党政権の教訓であり、政策で一致しない『野合』はいずれ崩壊する」。 《新党》京都「注目を集める『第三極』では、橋下徹大阪市長が率いる日本維新の会と、石原慎太郎前東京都知事の太陽の党が正式に合流を発表した。(略)一方で、数日前に発表したばかりの太陽の党と減税日本との合流は白紙になった。政策が共有できないとの理由だ。政策の一致が重要なのは確かだが、わずかな期間での合流方針の変更はむしろ、政策を二の次にした選挙対策の色合いが濃い」、高知「第三極で『大連合』をつくるのなら、政策を軸とする結集が必要だ。それが『溶解』の様相を呈している民主党政権の教訓であり、政策で一致しない『野合』はいずれ崩壊する」。 《新党》京都「注目を集める『第三極』では、橋下徹大阪市長が率いる日本維新の会と、石原慎太郎前東京都知事の太陽の党が正式に合流を発表した。(略)一方で、数日前に発表したばかりの太陽の党と減税日本との合流は白紙になった。政策が共有できないとの理由だ。政策の一致が重要なのは確かだが、わずかな期間での合流方針の変更はむしろ、政策を二の次にした選挙対策の色合いが濃い」、高知「第三極で『大連合』をつくるのなら、政策を軸とする結集が必要だ。それが『溶解』の様相を呈している民主党政権の教訓であり、政策で一致しない『野合』はいずれ崩壊する」。 《新党》京都「注目を集める『第三極』では、橋下徹大阪市長が率いる日本維新の会と、石原慎太郎前東京都知事の太陽の党が正式に合流を発表した。(略)一方で、数日前に発表したばかりの太陽の党と減税日本との合流は白紙になった。政策が共有できないとの理由だ。政策の一致が重要なのは確かだが、わずかな期間での合流方針の変更はむしろ、政策を二の次にした選挙対策の色合いが濃い」、高知「第三極で『大連合』をつくるのなら、政策を軸とする結集が必要だ。それが『溶解』の様相を呈している民主党政権の教訓であり、政策で一致しない『野合』はいずれ崩壊する」。  

《責任》中日・東京「各党は有権者の目を欺かず、実現を目指す政策を公約として具体的に掲げてほしい。マニフェストはいまや『うその代名詞』とまで言われているそうだが、政策実現のための財源やその期間、手順などは、やはりなおざりにしてはならない。選挙公約が昔ながらの抽象論では、実現したかどうかの検証すらできない」、岩手日報「各党は選挙が『復興元年』の最後に行われることを考えてほしい。東日本大震災の復興は遅々として進まず、東京電力福島第1原発事故の収束も遠い。景気は後退局面に入った。(略)総選挙後はいたずらな政争は避け、政治の責任を果たすよう望みたい」。(審査室) 

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