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貴省の「飛行禁止措置発動に係る協力要請について(案)」に対する意見書提出の件

平成13年12月26日

国土交通省
航空局管制保安部長
淡路 均 殿

社団法人日本新聞協会
航空取材問題に関する小委員会
委員長 高橋道男

新聞協会の活動および取材・報道に際しましては、種々ご協力いただきありがとうございます。

当協会「航空取材問題に関する小委員会」(14社21人で構成)は、本年12月18日開催の貴省「航空保安業務運営連絡会議」で配布された「飛行禁止措置発動に係る協力要請について(案)」が、取材活動、報道の自由の根幹にかかわる内容を含んでいることから、翌19日開催の会合で別紙の意見書をまとめましたので提出いたします。

当協会は自主的な判断による取材飛行のルールを確立しており、それに沿って災害時等における公的機関の活動を妨げないよう配慮するなど、貴省と話し合い協力してきました。つきましては、意見書の趣旨をおくみ取りいただき、当協会小委員会各社を対象とする同案の説明会を年明け早々にも開催して、十分な話し合いをしていただくとともに、それまでの間、同案にもとづく協力要請の着手を停止されるようお願い申しあげます。

なお、平成14年1月から1年間、当協会「航空取材問題に関する小委員会」委員長ならびに「新聞航空懇談会」幹事は、早川正・読売新聞社航空部長が務めます。

以上

2001年12月26日

「飛行禁止措置発動に係る協力要請」に対する意見書

社団法人日本新聞協会
航空取材問題に関する小委員会

1.「非常事態における飛行禁止措置発動マニュアル」、「飛行禁止措置発動に係る協力要請(案)」の策定、伝達に関する手続きについて

(1)当協会「航空取材問題に関する小委員会」への事前説明が行われていない。

取材活動、報道の自由の根幹にかかわる内容を含んでいるにもかかわらず、マニュアル策定の事実さえ事前に知らされず、12月18日に開かれた「航空保安業務運営連絡会議」で協力要請(案)とセットで突然出てきた。しかも当日の会議の議題にも盛られておらず、会議の場で説明された。運営連絡会議は航空保安業務に関する航空機使用事業者側の陳情、要望を聴取する場であり、筋が違う。

(2)重大内容を含んでいるにもかかわらず、作業が拙速である。

上記マニュアルは本年10月10日、すでに発効しているという。その内容を極秘として非公開にしながら、これに基づく協力要請(案)を具体的に示し、「年内に成案を得て正式要請」というのは、一方的発動を意図した行為と誤解されても仕方がない。

(3)国土交通省航空局と当協会「航空取材問題に関する小委員会」の間で積み重ねてきた長年の経緯が無視されている。

事前説明抜きの同様の事例は、昨年3月の「航空法施行規則の改正」、古くは平成8~9年にかけての「災害時における救援航空機等の安全対策マニュアル」の際も起きている。前者は当時の小委員長名で要望書を提出し、後者は航空局技術部長、運航課長を小委員会に招き、協議した経緯がある。災害時の情報提供に対する報道機関の役割を主張、認識したうえで成案に至っている。

2.「飛行禁止措置発動に係る協力要請(案)」の内容について

(1)本文1「飛行禁止措置の発動」に関して

従前からある「災害時における救援航空機等の安全対策マニュアル」の精神が引き継がれず、唐突かつ乱暴に規制を強化している。「大災害」と「同時多発テロ」で様相が異なるのは理解できるが、一部機関を除き「原則全面飛行禁止」とはいかがなものか。文書の「テロ行為等」とは具体的にどのような状況をいうのか。同時多発テロなのか、局地的テロを含むのか、航空機を使ったテロなのか、ほかの手段を使った大規模テロか、明らかにされていない。省庁側の判断で拡大解釈され、一方的規制につながる不安をぬぐえないため、「飛行機、飛行物体(ミサイルなど)による同時多発テロ」などと、明確にしておきたい。また「等」とは何を含むのか不明である。

(2)本文2「飛行禁止措置の内容」・「VFR機」の項に関して

着陸は「最も近い飛行場」とあり、当然、通常の空港使用の手続きは必要ではないと思われるが、通常の手続きは不要なこと、また、着陸を拒否しないこと、燃料が少ない航空機が「最も近い飛行場」が混雑していて着陸ができなくなることの危険性はないのかなどを確認したい。

(3)本文3「飛行禁止措置の伝達」に関して

VFR機は、飛行禁止措置の伝達に困難が伴うことが予想される。発動されたことを知らずに飛行している航空機の扱いはどのようになるのか。122..6MHzでの伝達も考慮すべきと考える。また、「電話により伝達される」範囲に「日本新聞協会加盟各社」を加え、「同協会委員長社を通じて伝達」を提案する。

(4)本文4「飛行禁止措置の対象除外機」に関して

新聞社の取材活動、報道の自由を守る観点から、取材・報道機については飛行禁止の対象から除外されるよう希望する。

(5)本文6「飛行禁止措置の解除」に関して

飛行禁止措置の解除に当たっては、最優先で報道機関に連絡する手順を確立されるよう要望する。

以上

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