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平成18年度税制改正について要望の件

平成17年9月26日

自由民主党
政務調査会 殿
税制調査会 殿

社団法人日本新聞協会
会長 箱島信一

 平成18年度の税制改正の審議にあたり、新聞界の考えをお伝えいたします。よろしくお取り計らいくださるようお願い申しあげます。

消費税について

(1)新聞は、国の内外で日々起きる広範なニュースや情報を正確に報道し、多様な意見・評論を広く国民に提供することによって、民主主義社会の健全な発展と国民生活の向上に大きく寄与しています。多様な情報伝達手段が登場している今日ですが、情報内容の正確性、情報の発掘力、言論性の高さ、情報接触の容易さ、国民への浸透度と世論形成力など、新聞は多メディア化の時代であっても中核メディアとして機能しています。

 多くのメディアが出現する中にあって、高い倫理性に裏づけられた新聞の言論・報道活動は、今後ますます重要になるものと確信いたします。

(2)欧米諸国では、新聞にはゼロ税率を含め軽減税率が適用され、それが常識となっています。1960年代以降、欧州各国では付加価値税(VAT)を導入していますが、新聞に特別な措置をとっています。ゼロ税率や軽減税率の適用、言論の多様性を確保するための各種の新聞助成策がそれです。例えば、英国、ベルギー、デンマーク、ノルウェーなどでは、新聞購読料はゼロ税率になっており、オーストリア、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、オランダ、スペイン、スウェーデンなどの国では、軽減税率を適用しています。また、米国でも過半の州が新聞にはセールスタックス(地方税)を課していません。

 諸外国の新聞に対する特例的な措置は、新聞の言論・報道の公共性、公益性を高く評価し、言論および文化の多様性を維持しなければならないという認識に基づくものです。新聞はその中でも中核に位置するメディアであり、「新聞には最低の税率を適用すべし」という認識は、欧米諸国でほぼ共通しています。

 民主主義の主役は国民です。その国民が正しい判断を下すには、政治や経済、社会など、さまざまな分野の情報を手軽に入手できる環境が重要です。欧米の先進国では、軽減税率をはじめ各種の新聞助成策を講じていますが、その根底に流れているのは、新聞による自由な言論と報道は「民主主義の必要経費」という考えにほかならず、わが国においても十分に考慮されて然るべきものと考えます。

(3)日本国民の新聞に対する信頼度は他の先進国に比べても突出して高く、世帯当たり普及率はほぼ100%と、世界のトップ水準に達しております。これは、新聞に対する社会的評価に加え、世界に例をみない戸別配達システムの整備、購読料を低い水準に抑える新聞社の経営努力によって、全国どこでも新聞を容易に購読できる機会が確保されている結果であります。

 われわれは、今後とも国民がより少ない負担で新聞を購読できる状態を維持していくことが、わが国の取るべき方策であると確信しております。その意味で、購読料への課税のみならず、新聞社の社会的責任のもとに行われる情報提供事業に対して他の商品と同率に課税することは、民主主義国家の健全な発展と国民文化の向上に、大きなマイナスになることを憂慮いたします。

 貴会において、今後消費税のあり方を再検討される際には、新聞界の意のあるところを十分におくみ取りのうえ、付加価値税先進国等の例も参考に、ゼロ税率ないし軽減税率の適用をご検討くださるよう要望いたします。

 貴税制調査会の慎重なご審議をいただきたくお願い申しあげます。

以上

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