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内閣府国民生活審議会「個人情報保護に関する取りまとめ」に対する意見

平成19年7月3日

内閣府特命担当大臣
高市早苗 殿

社団法人日本新聞協会編集委員会

 個人情報保護法の見直しの検討結果が、「個人情報保護に関する取りまとめ」として公表された。同法が2005年4月に全面施行されて以来、「過剰反応」や意図的とも思える行政の情報非開示などの混乱が続いている。今回の見直しによって、その混乱が解消されるとは到底思えない。

 当協会は、同法見直しの検討が開始されて以降、昨年4月のヒアリングに際して、また同10月のパブリックコメントに応じて、社会のさまざまな分野で過剰反応が起きている事実、官による情報隠しともとれる動きがあることを指摘し、個人情報の有用性と保護のバランスへの配慮を求めてきた。しかし、「まとめ」では抜本的な見直しには至らなかった。

 同法の施行によって相次いだ過剰反応による現場の混乱は、いまも続いている。人の生命、身体、財産の保護に必要な場合、あるいは公共の利益や知る権利を優先すべき場合などでも、「個人情報保護」の名のもとに提供が拒まれるなどの事例は相次ぎ、状況はいっこうに改善される兆しがない。また、身内をかばうような官による情報隠しの事例も依然として見受けられる。社会にとって必要な情報が隠される匿名化の流れが続けば、国民の「知る権利」は脅かされ、「表現の自由」や健全な民主主義社会の根幹を揺るがしかねない。

 「まとめ」では、基本的にガイドラインやその解説などによって対処する旨の提言をしている。しかし、同法の施行から2年たったいまも、個人情報の有用性という法の目的を市民に浸透させることができていないことを見れば、ガイドライン・解説を周知することが無理であることは明白である。

 政府において、個人情報の有用性と保護のバランスをとりつつ、法の名を借りた情報隠しや、法の目的を曲解した過剰反応を止めるよう、さらなる措置がとられることを再度求める。併せて、適切な措置が十分にとられるかどうか、引き続き監視していくことを表明する。

以上

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