2009年度 新聞広告クリエーティブコンテスト

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入賞作品 テーマ:「絆(きずな)」

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[略号凡例]
CD:クリエーティブディレクション・AD:アートディレクション・C:コピー ・D:デザイン ・I :イラスト
最優秀賞
受賞者「さみしくなったら‥」
堤藤成さん
(つつみ・ふじなり 電通関西支社)

CD、C= 堤藤成さん(写真左)
脇田賢一さん(アンクル・写真中央)
AD、D、I= 松長大輔さん(電通関西支社・写真右)

 

○コメント
10月に誕生する堤家のベイビーの存在なくして、絶対に生まれなかった案です。人のカラダは、使わない部分はだんだんと退化していくはずなのに、生まれる時にたった一度しか使わないおヘソが一生消えないのはなぜだろう、という会話からはじまりました。人は孤独なときほど、絆を感じたいものです。大げさなことではなく、おヘソを見るというちょっとした行為が、そのきっかけになればと想いを込めました。すばらしい賞をいただき、ありがとうございます。毎年この季節になると集まるこの3人で受賞ができ、大変うれしいです。たとえこの先さみしさを感じることがあっても、おヘソを見ることで思い出せる、素敵な"絆の記憶"がもう一つできました。

○プロフィル:
1983年生まれ、福岡県出身。 電通関西支社 クリエーティブ局 所属、コピーライター。 第3回西日本広告大賞 準大賞、第76回毎日広告デザイン賞 奨励賞 等受賞。

優秀賞

受賞者「人生、何年生になっても絆を。」
新免弘樹さん
(しんめん・ひろき
中野直樹広告事務所)

CD・C=新免弘樹さん(写真左) 
AD・D・I=今井幹雄さん(TRUNK・写真右)

 

○コメント
選んでいただいて、どうもありがとうございました。 「絆」について、ふだん考えたことがなかったので、とてもいい機会でした。
それにしても、難しかった(笑)。きっと応募されたたくさんの方々も、おんなじ苦しみを味わったと思います。たまたま運よく選ばれたと思って、 調子にのらずに精進していこうと思います。
もっと記憶に、そして心の奥に届くようなコピーを書いていきたいです。

今井さん、 目にとまるようなインパクトのある広告にしてくれて、どうもありがとう。 広告って、やっぱかけ算ですね。あなたと組めて、よかった。

眞木さん、  『ムサシ』は、コピーライターをつづけていますよ。

○プロフィル:
1976年生まれ、大阪府出身。
日本たばこ産業株式会社等を経て、現在、中野直樹広告事務所所属。

優秀賞・学生賞

受賞者「『一人暮らし』なんてウソでした。」
佐々木愛さん
(ささき・あい 岡山県立大学)

 

○コメント
このようなすばらしい賞をいただき、ありがとうございます。
一人暮らしをする中で、私の日常は家族や友人など多くの人によって支えられ、形作られていると感じました。そうした人たちとのつながりと、 楽しい時間を共有できることをとてもありがたく思っています。
この広告を見た人が、ほんの数分でも、遠くで暮らす大切な人の顔を思い浮かべ、「元気にしてるかな」と思いをめぐらせてくれれば、たくさんの人の日常がもっとあたたかなものになるのではないかと思います。

○プロフィル:
1988年生まれ。岡山県立大学デザイン学部造形デザイン学科在学中。

コピー賞

受賞者「お隣さん」
浅井貴行さん
(あさい・たかゆき
アサヒデザイン)

AD・C= 浅井貴行さん(写真左)
D= 中島英貴さん(アサヒデザイン・写真右)

 

○コメント
僕は幼少のころ、両親が共働きということもあり、しょっちゅう「お隣さん」に面倒を みてもらっていました。
ひとまわり以上、年の離れたお兄ちゃんのターくんとノリくんは一緒にファミコンしてくれたり、いつもおしゃれなおばさんは、おいしい晩ご飯をごちそうしてくれたり。
引っ越ししてから会っていないけど、元気ですか? 僕は元気です。おかげさまで大人になりました。
今度、一緒にお酒でも飲みたいですね。
このすばらしい賞をいただいたこと、いろいろな方々に感謝します。

○プロフィル:
1982年生まれ。名古屋造形芸術大学デザイン科卒業。アサヒデザイン所属。

コピー賞

受賞者「演歌な人生にも、ポップな人生にも、ロックな人生にも。」
小原裕美子さん
(おばら・ゆみこ 読売広告社)

AD・D=小園勝之さん(フラット・写真右)

 

○コメント
「人間関係が希薄になりつつある時代、絆をテーマに広告」との課題を見て、少し悲しくなりました。今は寂しい時代なのか、と。
そこで、「絆」を通じて明るいメッセージがつくりたいと考えました。
この広告を見た人が「絆は、どんな人生でも大切にされていること」や「人それぞれの絆があること」など、絆について楽しく考えるきっかけになれば、と思います。
最後に、アドバイスくださったたくさんの皆様に感謝します!

○プロフィル:
1978年生まれ。読売広告社 クリエイティブ局 第二クリエイティブ部所属。

コピー賞
受賞者「新聞受け」
堤藤成さん
(つつみ・ふじなり 電通関西支社)

CD、C= 堤藤成さん(写真左)
AD、D= 中原新覚さん(中野直樹広告事務所・写真右)

 

○コメント
新聞受けが、毎日きちんと空っぽになっていること。それは、今日もその家に住むひとが新聞を受け取って、"無事に暮らしている"というサインです。それに気づいて、毎日の通学・通勤や散歩のとき、近所の新聞受けをちょっぴり気にかけながら歩いてみる。きっとそんなことから、少しずつ地域の「絆」は生まれてくるような気がしています。新聞は単なる情報媒体ではなく、地域の「絆」をつないでくれる素晴らしいメディアでもあります。あなたの近所の新聞受けが、これからも、ちゃんと空であり続けますように。

○プロフィル:
1983年生まれ、福岡県出身。 電通関西支社 クリエーティブ局 所属、コピーライター。 第3回西日本広告大賞 準大賞、第76回毎日広告デザイン賞 奨励賞 等受賞。

審査講評 -クリエーター5氏と新聞協会広告委員会正副委員長による審査会-

審査委員長代行
副田 高行氏
「絆」という難しいテーマだったが、今回の受賞作品は、新たな発見や伝えたいメッセージが込められている秀作ばかりだ。最優秀賞の「さみしくなったら‥」は総合的に抜きんでていて、作品の中に提案がありポジティブ表現が良い。「新聞受け」は、近隣の人の老人へのやさしさが伝わる。
審査委員
児島 令子氏
募集広告には亡くなった眞木審査委員長が、「絆に気付き。」というコピーを投げかけており、ポジティブな広告をという眞木氏のメッセージが込められていた。「さみしくなったら‥」「一人暮らし…」「人生…」の三作品はともに重い絆論でなく軽やかに絆を気付かせる、まさに広告的表現であった。
審査委員
佐藤 可士和氏
「さみしくなったら‥」も優秀賞の二作品も何らかの「視点」を提示しており優れた作品だ。「一人暮らし…」はリアリティーがあり暗くないのがよい。「演歌な…」はありそうでない視点をうまく表現している。デザイン賞に該当作がなく、メッセージを伝える切り口の訓練が必要だと感じた。
審査委員
服部 一成氏
「一人暮らし…」の作者は「絆」というテーマに対してうまく身近な視点を見つけており、一見未熟な写真やデザインも内容が伝わる表現になっている。応募作全体を見るとデザインが単に考え方の説明に終始しているものが多く、理屈を超えたビジュアルのユニークさで突破する作品を期待したい。
審査委員
前田 知巳氏
選ばれた作品はいずれも、お仕着せの優等生ではなく自分自身とちゃんと向き合って考えられているという印象だ。優秀賞・学生賞に選ばれた「一人暮らし…」は、千点を超える応募作品の中で同じ切り口がなく際立っていた。コピー賞の「お隣さん」は、確かに、と思わせる素直な視点が印象的だった。