聞く人のために、日本語をつくり直そう。
パナソニック
〈広告出稿の意図・狙い〉
パナソニックは補聴器を通じてよりよい暮らしを提案しています。「聞こえ」の問題を改善して暮らしやすい社会を実現する手段はまだまだあるのではないか、と考えました。そこで「話す人」側に着目し、聞き取りやすい話し方を啓発することで、高齢者をはじめとする難聴者の方々が過ごしやすい社会をつくること目指しました。この活動の意義を正確に伝えることができる媒体であると考え、新聞広告を選びました。
〈広告の内容・コンセプト〉
日常生活で耳にする言葉の約42%には、65歳以上の方にとって聞き取りづらい音が含まれています。超高齢社会の日本では実に4人に1人がこの問題の対象者となります。そこで、聞き間違えやすい言葉を特定し、バリアフリーな日本語を提案するモバイル辞典を開発しました。この辞典を難聴者が周囲にいる人に活用してもらい、やさしい社会づくりに貢献するという企業姿勢を広告で伝えました。
日本語の基準である三省堂「大辞林」にある全項目の組み合わせ約312億通りを独自の人工知能で解析し、約150万もの聞き間違えやすい言葉を見つけました。当事者にしか分からなかった「聞こえ」の問題を、聞き間違いを視覚化した独自のフォントで表現し、誰もが直感的に分かるようにしました。
〈広告掲載後の反響〉
世界共通の耳の日である3月3日に「聞き間違えない国語辞典」を発表し、誰でも無償で使えるサービスを開始しました。新聞、テレビ、ウェブニュースなど各種報道で取り上げられ、またFacebookをはじめとするSNSでも話題となりました。
「聞き間違えない国語辞典」の総ページビュー数は2017年5月末時点で約9万ページビュー。新聞広告と同じビジュアルで展開したSNS広告のクリック率は、通常広告の約6倍という高いパフォーマンスを誇り、注目度が高まったことで認知が広がりました。
発表以降、補聴器や辞書に関する問い合わせが増えるとともに、取引先から注目され、事業支援にもつながりました。このプロジェクトの取り組みに興味を持ってくれた航空会社や介護施設で「聞き間違えない国語辞典」を基にセミナーなどが実施されたり、本辞書が正式採用されたりする実例も出てきました。
広告主 |
パナソニック |
企画 |
博報堂 |
掲載紙 |
産経 |
制作 |
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掲載日 |
2017/3/3 |
扱い |
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スペース/回数/色 |
全15段/カラー |
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