NEWSPAPER Restaurant――ニュースペーパーレストラン
アサヒ飲料、キッコーマン、三菱電機など計16社
〈広告出稿の意図・狙い〉
創刊120年の節目を迎え、毎日掲載してきた記事という新聞社にとっての最大の財産を生かした周年企画を考えました。記事にまつわる読者の思い出を起点として、新聞社と読者の関係をあらためて可視化することを目指し、新聞広告企画の新しい方向性を探りました。
〈広告の内容・コンセプト〉
「思い出の記事を料理にすると、どんな味になるのだろう?」という着想から企画作りをスタートしました。河北新報は「地元から、日本中から、世界中から目利きし、編集した旬の情報を、温かいうちに毎日届ける」ことを続けてきたことから、「記者を料理人、新聞を料理に例えられるかもしれない」。たくさんの情報があふれ、一つ一つの情報について深く考えることが難しい時代に、情報を深く味わうことの大切さについて考えたい。そんな新聞の思いを込めました。
2017年4月に「読者の思い出の記事・出来事」を募集し、約70件の応募の中から4組8人を、1日限定の「ニュースペーパーレストラン」に招待しました。そこで料理を味わいながら「あの年、あの日、東北は、日本は、世界は、どんなだったのだろう」と想像をふくらませ、自分の思い出の記事に思いを馳せてもらいます。
料理は、前菜1「1年分の記事をレシピにしてつくった1皿」、前菜2「1日分の記事をレシピにしてつくった1皿」、メーンディッシュ「思い出の記事でつくった1皿」という3皿で構成された特別コースです。例えば前菜1は、ある年の1年分の朝刊1面記事からコンピューターによる統計解析でキーワードのトップ30を抽出し、そこから選んだ五つのキーワードをイメージして、料理をつくりました。記事の解析は計算言語学者である東北大学大学院情報科学研究科教授・乾健太郎氏が、キーワードからレシピと料理を作るプロセスは仙台ロイヤルパークホテル総料理長・池田一之氏が担当しました。
〈広告掲載後の反響〉
一見、突飛にみえる着想ですが、新聞広告企画としての斬新性、そしてコンセプトを形にした緻密な紙面構成、とりわけ招待者の表情や特別な料理を情感と彩り豊かに捉えた写真を含めた紙面の仕上がりが高く評価されました。
関連動画も動画サイトで公開しました。1組の招待者が思い出の記事から作られたコース料理を味わう様子や、言葉を料理で表現した池田総料理長がこの企画に込めた思いを紹介しました。新聞記事から料理が出来るまでの仕組みと主旨を明快に伝えることができ、企画の理解に貢献しました。
広告主 |
アサヒ飲料、アスミックエース、NHK出版、キッコーマン、SARAYA、セコム、大東建託、北海道セレクト、マガジンハウス、三菱電機、明治、UKKインダストリー、出版連合(朝日新聞出版、主婦の友社、小学館、扶桑社) |
企画 |
電通、河北新報社東京支社、フロンテッジ |
掲載紙 |
河北 |
制作 |
フロンテッジ、DODO DESIGN |
掲載日 |
2017/7/21 |
扱い |
電通 |
スペース/回数/色 |
別刷り16ページ/カラー |
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