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ケアしたい一票がある。#CAREVOTE「やさしい投票ガイド」

ヘラルボニー

<広告の狙い・内容>
■「#CAREVOTE」とは
投票について、一人ひとりが考えるためのアクションです。
知的障害のある人のなかには、社会や環境のそばにあるさまざまな障壁から、選挙に関する情報を受け取ることや、投票を行うことが困難な人がいます。「#CAREVOTE」を通じて、このような障壁が見過ごされず、一人ひとりが自分の大切な一票について考え、声を上げることで、知的障害のある人だけでなく、誰もが人間としての普遍的な価値を尊重される社会の実現につながっていくと信じています。

■「#CAREVOTE」に込めた想い
知的障害のある人は「できない」から投票することも「できない」のでしょうか。それは違います。知的障害のある人は「できる」のに、投票をするにはあまりにも障壁があるため「できない」ことがあるのです。“ケアしたい一票”があります。言い換えるならば、“ケアしなければならない一票”が確かに存在しているのです。だから私たちは、やさしい情報づくりで、やさしい社会の土台をつくることから、はじめたいと思います。知的障害のある人の「一票」が現代社会に受け入れられることは「普通」を肯定する社会ではなく「ありのままの姿」を肯定する社会や文化の醸成につながっていくと信じています。(松田 崇弥・文登〈株式会社ヘラルボニー代表・副代表〉)

■本アクションに至った背景
政治に参加し、この国の主権者の一人として声を上げることができる選挙権は、人間としての尊厳を守るために必要な権利です(※1)。特に知的障害のある人(※2)は、生活そのものが政治の影響を受けやすいことから、選挙権は大切な権利であると私たちは考えています。2022年5月には、障害のある人による情報の取得や利用、意思疎通に係る施策の推進を目的とする「障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法」(※3)が施行され、その重要性は社会的にも増しています。
ヘラルボニーは、福祉領域の拡張を見据えたさまざまな事業を展開し、知的な障害のある人をはじめ、ありのままの個性が尊重される社会の実現を目指しています(※4)。
今回、2022年7月の参議院選挙にあわせ、選挙や投票における社会側の障害について考え、議論するきっかけになることを期待し、「#CAREVOTE」の提唱と「やさしい投票ガイド」の作成・公開を決定いたしました。

※1:個人の尊厳を定める日本国憲法13条や選挙権について定める同15条、生存権について定める同25条参照。
※2:厚生労働省の調査によると、身体障害、知的障害、精神障害の3区分について、各区分における障害者数の概数は、身体障害者(身体障害児を含む。以下同じ。)436万人、知的障害者(知的障害児を含む。以下同じ。)108万2千人、精神障害者419万3千人となっている。
出典:内閣府「参考資料 障害者の状況 」(2019)https://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/r01hakusho/zenbun/siryo_02.html
※3:内閣府「障害者による情報の取得利用・意思疎通に係る施策の推進」(2022)https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/jouhousyutoku.html
※4:ヘラルボニーではこれまでにも、「#障害者という言葉」(2019)など、障害者を取り巻く偏見や先入観を可視化するアクションを行ってきました。
出典:「異彩を、放て。」をミッションに掲げる福祉実験ユニット・ヘラルボニーが、ブランド初となる意見広告「#障害者という言葉」を展開(2020)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000039365.html

■「やさしい投票ガイド」について
ヘラルボニーの考える、知的障害のある人が投票に行きたいと思ったときに役立つ情報をまとめたガイドです。発行にあたり、知的障害のある人に向けたわかりやすい文章や表現に関して多数の実践例を有する一般社団法人スローコミュニケーションが監修しています。左面には「字を書けなくてもよい」「メモを持っていってもよい」といった投票に向けた準備情報、右面には「代わりに書いてください」「わかりやすく説明してください」といった投票所で困ったときに役立つ情報を記載しています。
なお、「やさしい投票ガイド」は、実際に投票所へ持参し、活用することができます。

<反響・効果>
県の選挙管理委員会に本広告の掲載について事前周知を行うことができ、選管職員への啓発につながったと言える。また、選管、候補者(県内外含む)、メディアなど、これまで投票のケアが必要な対象としてそもそも認識されていなかった「知的障害のある人」の投票行動や課題に目を向けるための新たなきっかけを創出することができた。選挙期間中には、障害のあるお子さんのいる親御さんから「#CAREVOTEの紙面を持参して我が子と投票に行くことができ、希望を持てた」「知的障害のある人だけでなく、誰にとってもやさしい選挙につながる取り組みなので、もっと広がってほしい」などの声が選挙期間中に多数寄せられた。SNS(主にツイッター)を通じて「#CAREVOTE」の取り組みが拡散され、多くの人から「いいね」のリアクションを得られた。(社会情勢が不安定な最中での選挙アクションであったが、ネガティブな意見がほとんど無いソーシャルアクションだった)広く世論に対して「知的障害のある人の投票」を巡る議論を生むことにつながった。

■スタッフリスト
企画:松田 崇弥 玉木 穂香(ヘラルボニー)小野田 峻(ヘラルボニー顧問弁護士)
クリエイティブディレクター:小林 大地(The Breakthrough Company GO)
ブランディングプロデューサー:松隈 太翔
アートディレクター:落合 剛之(TAMBO)
デザイナー:井上 麻美(TAMBO)
コピーライター:寺澤 佑那
PRプランナー:鈴木 万里奈(ヘラルボニー)
監修:一般社団法人スローコミュニケーション
広告主 ヘラルボニー 企画 ヘラルボニー、スローコミュニケーション、岩手日報社
掲載紙 岩手日報 制作 TAMBO
掲載日 2022/7/8 扱い
スペース/回数/色 全60段/カラー