<広告の狙い・内容>
東日本大震災から12年が経過した今もなお、被災地には持ち主の元へ返却されない津波流出品・震災拾得物=「思い出の品」があり、今後の保管・返却活動の在り方が課題になっています。岩手には23万5千点以上あること、経年劣化などでやむなく廃棄処分を決定する自治体があること、一方で「一つでも多くお返ししたい」と保管・返却活動に奔走し続けている自治体やNPO法人があることを知り、その現状を広く伝え、一つでも多く「思い出の品」を持ち主の元へ返したいという思いで企画を立てました。
大槌町は、経年劣化や返却活動が数年進んでいなかったことから、2023年度の廃棄を決めました。ランドセルや卒業アルバム、子どもが母親を描いた粘土作品など、複数の思い出の品の写真を掲載し、「13年目の廃棄処分を前に、これらの拾得物に心当たりのあるかたを探しています。岩手日報か、大槌町までご連絡ください」と呼び掛けました。
また大槌町で自宅を跡形もなく失った女性が「何か一つでも見つけたい」という気持ちで故郷を訪れ、約5万枚の中から同窓会の写真を見つけたエピソードも合わせて紹介。奇跡的に写真を見つける瞬間に立ち会うことができ、女性の想いを動画でも伝えました。3・11は被災地だけでなく、全ての人に悲しみとその教訓を語り継ぎ、震災を風化させないという気持ちを込め、紙面とSNSで展開しました。
<反響・効果>
テレビCM、ウェブ、SNSでも展開し、ツイッターでは2023年3月末時点で、約3千件のリツイート、動画の表示再生回数は2.7万回に達しました。「いまだに23万点もあることを知り、愕然(がくぜん)としている」「切ない。ひとつでも多くあるべきところに戻りますように」などのコメントが寄せられたほか、過去に災害を経験した人からは「女性の気持ちが伝わってきた。卒業アルバムを含め、写真は自分がこれまで生きてきたことを実感する手段だった。自分も全てなくなったので気持ちがよくわかる」と共感の声が寄せられました。このように広告を見た人がさらなる拡散を呼び掛けてくれるなど、多くの反響がありました。
広告主 |
協賛202社 |
企画 |
岩手日報社、博報堂 |
掲載紙 |
岩手日報 |
制作 |
博報堂、博報堂プロダクツ、横尾美杉 |
掲載日 |
2023/3/11 |
扱い |
オープン |
スペース/回数/色 |
全60段/カラー |
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