新聞広告賞2021新聞社企画・
マーケティング部門・新聞広告賞(第41回)
新聞広告報775号〈話題の広告事例〉

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2020平和企画

長崎市など協賛28社

2020/8/9 2020/8/9 9/21 7/30
「今年の平和祈念式典は家で行われます。(と、想像してみよう。)」―。
終戦から75年がたち、戦争体験者が高齢化する一方で、戦争の記憶をいかにして次世代に継承するかが課題となる中、2020年の長崎の平和祈念式典は新型コロナウイルス感染拡大防止のため規模が10分の1に縮小となりました。式典に参加したくても参加できない人たちに祈りの場を設けることと、原爆投下に関心がない人たちにも興味を持ってもらいたいと考え、8月9日に式典会場の石畳の一部を原寸大で写したラッピング広告を届けることにしました。自宅で新聞広告の上に立ち行動することで、式典会場にいることや、75年前の出来事、核兵器の現状、未来の平和を想像してもらうことを意図しました。「日付のメディア」「黙とうが行われる11時2分に間に合う」「人が立てるサイズ」等の特性を生かしました。また、手元に新聞がない人も、自宅やコンビニで紙面データの出力を可能にし「#8月9日に想像したこと」の投稿をSNSで呼びかけました。投稿された写真や文章の一部を国連が定める国際平和デーの9月21日付に見開き30段で掲載しました。
被爆を題材に広告企画を立案する難しさはありましたが、印象的なクリエーティブに協賛社からの高い評価と世代や地域を越えた広がりを見せました。SNSでは、4万以上「いいね」が集まりました。92歳の被爆者から新生児まで全国の人が参加し、400件以上の「#8月9日に想像したこと」が投稿され、「企画力が秀逸」「見たら涙が出た」などのコメントが添えられました。また共同通信社の配信やヤフーニュースのトップに入ったり、神戸新聞などが加入の「まいどなニュース」、バズフィード、ハフポストなどのオンラインメディアにも取り上げられました。そのほか、長崎への修学旅行を予定していたが中止となった大阪府茨木市立東雲(しののめ)中の3年生149人が、石畳の新聞広告を使い、実際にその上に立ち、体育館で平和式典を行いました。また、週刊金曜日8月21日号の短編漫画にもなりました。
広告主 長崎市など協賛28社 企画 長崎新聞社、電通、電通九州長崎支社
掲載紙 長崎 制作 長崎新聞社、電通、電通九州長崎支社
掲載日 2020/7/30~8/9、9/21 扱い
スペース/回数/色 全5段(7/30~8/8)、全60段ラッピング(8/9)、全30段(9/21)/12回/カラー