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<記者教育センター討論> 報道の自前主義、「偽」を排除 FB依存の外部配信に危うさ

 日本ジャーナリスト教育センター(JCEJ)は6月9日、情報プラットフォーム事業者との付き合い方などをテーマにしたパネル討議を日比谷国際ビル(東京都千代田区)で開いた。日本の報道機関が取材から伝達まで自前で担う体制は偽ニュースの影響を受けにくい一方、産業規模が縮小する中で経営の安定化策が必要だとの指摘があった。外部プラットフォームへの配信は特定の事業者に依存しないことが重要だとの意見も出た。

 各国の通信分野の政策調査を手掛ける企(くわだて)のクロサカタツヤ代表取締役は、日本は他国と比べ「偽ニュースの脅威にさらされていない」と述べた。日本の報道機関は取材から読者に届けるまでの機能を自前でそろえる垂直統合モデルのため、偽ニュースなどの「ノイズが入らない」ことを理由に挙げた。

 片や海外では、ネット上でのニュースの流通をフェイスブックなどのプラットフォーム事業者に依存する報道機関が増えている現状などから「偽ニュースが付け入る隙が多い」と話した。

 とはいえ日本でも外部プラットフォームでの発信は進む。NHKネットワーク報道部の足立義則副部長は「地震発生時にテレビではなく最初にツイッターを確認する人もいる」とし、SNSでの情報発信は「やむを得ない」との見方を示した。

 ただし見出しが変わったり、不本意に広告が付いたりする恐れもあるとし、自社のニュースを部分的に配信することには「不安がある」と語った。

 日経の奥平和行編集委員は、内需が縮小し収入が減る中、新聞社の自前主義も変わりつつあると解説。論調が異なる新聞社同士でも印刷の受委託や輪転機への共同投資が進んでいると述べた。垂直統合の長所を残しつつ、経営を安定させる方策が必要だと説いた。

 奥平氏もまた、プラットフォームへのニュース配信は「仕方ない」としつつ、特定の事業者に依存しないことが重要だと話した。システム攻撃などで配信先がサービス停止に陥る恐れもあると指摘した。報道機関にはプラットフォームを「主体的に使いこなす」姿勢が必要だと語った。

 クロサカ氏は、昨年8月に国内各地でネットワーク障害が起きた例を挙げ、インターネットは「技術的に万全ではない」と話した。利用者は影響の範囲や要因をテレビなどの報道で知ったとし「ネットと他媒体はお互い補完関係を作るべきだ」と述べた。

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