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文書管理の不正に危機感 森友問題巡り朝日・南氏 専修大でシンポ

 NPO法人情報公開クリアリングハウスが6月29日、「森友学園問題から見るジャーナリズムの役割、司法の役割」と題したシンポジウムを専修大神田キャンパス(東京都千代田区)で開いた。朝日の南彰政治部記者は「公文書管理法が骨抜きになっている」との危機感が取材の原動力になっていると語った。隠された情報を表に出すには、核心を突く「質問力」を磨くことが必要だとの指摘もあった。

 クリアリングハウスは、2017年2月から財務省などに対し、学校法人・森友学園への国有地払い下げに関する交渉記録の公開を求めてきた。当初は「存在しない」「廃棄済み」とされていた文書が一転、公開されたことについて三木由希子理事長は「一連の報道が影響した」と指摘した。

 南氏は、首相在任時に公文書管理法制定を主導した福田康夫氏の「記録を作ることで、政治家による行政への不当な要求や圧力を防げる」との発言を紹介。法が骨抜きになっているとの危機感が、表に出ない交渉記録を追う取材の原動力だと述べた。

 金井利之東大教授は情報公開制度が「そもそも矛盾をはらんでいる」と指摘した。「行政は誠実に記録を残す」という性善説に基づいていながら、「行政は不正を働く」という性悪説もよりどころにしていると解説。この仕組みは「安倍1強」と言われる現状では機能しにくいと述べた。官僚は「権力が分散している時は、特定の勢力に肩入れして対立陣営から責められることを恐れる」。しかし今は与野党に対抗勢力がいないと説明した。

 南氏も首相官邸の官僚機構への影響力が強まっているとの見方を示した。そうした中でも、一貫して森友学園問題を追う朝日の報道を見て「情報を埋もれさせてはいけない」との思いで情報を寄せる人も現われるようになったと述べた。

 三木氏によると、官僚は「うそはつかないが、質問されない限り答えない」。金井氏は、文書改ざんの背景などを究明するには「野党やマスメディアが『質問力』を高めることが重要だ」と述べた。

 南氏は、何かを隠している相手は証拠と核心を突く質問をぶつけられると「責任を問われたくない」との意識が働くと指摘。その積み重ねが状況を動かし「当初は一枚岩だった行政と官邸の関係も変わってきた」と語った。

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