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被害者支援の声伝える <戦争と地方紙 ヤフーのシンポに3記者>

ヘイトまん延に対抗

 ヤフーは8月2日、東京都千代田区の本社で「戦争と地方紙」をテーマにシンポジウムを開いた。第2次世界大戦や戦争の名残である基地問題を報じる姿勢について、東京、西日本、琉球の記者が意見を交わした。琉球の玉城江梨子記者は、米軍が引き起こした事故の被害者への中傷が問題化する中、被害者を応援する声を伝えることもメディアの役割だと述べた。

 東京は今年3月、「空襲前夜」として、東京大空襲に見舞われる前の市民の日常を取り上げた。早川由紀美論説委員はこれまでの報道が「一番ひどい目に遭った人とその瞬間」ばかりに焦点を当てていたと指摘。被害に遭った人が失ったものを伝えることが必要だと提起した。

 玉城氏は「戦争は今の沖縄の問題と地続きだ」と述べた。昨年12月、米軍ヘリコプターの部品落下事故を巡り、被害に遭った保育園に密着し記事を書いた。実家と保育園の距離は約50メートル。「当事者になっていたかもしれない」との思いに突き動かされたという。

 記事はウェブサイトに掲載された。こうした事故では「基地のそばに住むな」といった被害者への中傷が増えているため、記事では取材相手を匿名とした。本人から後日、「中傷を恐れて黙っていれば相手の思うつぼだ。実名でも問題なかった」と言われ、当事者の覚悟に気付かされたという。記事には被害者への応援の声も多数寄せられた。中傷を批判するだけでなく、こうした反響も伝え、被害者を支えるのが自分たちの役目だと話した。

 読者との結び付きを強める方策についても意見を交わした。西日本の福間慎一qBiz編集長は、地方紙は全国紙と比べ署名記事が少ないとし「記者が名前と個性を出して発信すべきだ」と訴えた。書き手の顔が見えない記事は、支持を集めにくいと指摘した。

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