1. 日本新聞協会トップページ
  2. すべてのヘッドライン
  3. 正確で有用な情報届ける 《仙台の新聞大会で決議》

正確で有用な情報届ける 《仙台の新聞大会で決議》

震災の教訓伝える 河北・一力社長

 第71回新聞大会が10月16日、仙台市の仙台国際センターで開かれた。新聞協会賞が編集部門3件、技術部門1件、経営・業務部門2件の計6件7人に贈られた。「さまざまな情報が行き交う今日、より一層信頼されるメディアとして、国民の知る権利にこたえていくことを誓う」との大会決議を採択した。研究座談会は新聞力を磨く経営戦略をテーマに議論した。

 河北の一力雅彦代表取締役社長は「新聞界が今の時代にふさわしい新たな一歩を踏み出すヒントを持ち帰ってほしい」とあいさつした。東日本大震災を体験していない子供が増え、教訓の伝え方が課題だとし「歴史の記録者、時代の目撃者たる新聞の果たす役割は大きい」と述べた。続いて新聞協会の白石興二郎会長(読売)があいさつした。

 新聞協会賞は編集部門で朝日の羽根和人、毎日の遠藤大志、河北の冨樫茂の3氏、技術部門は朝日の今垣真人、野口みな子の両氏が受賞した。経営・業務部門は河北の武田真一、信濃毎日の古田俊一の各氏に贈られた。

 朝日は森友学園への国有地売却に関する決裁文書を財務省が改ざんしていたことを特報した。初報を出した後、財務省が果たすべき説明責任を報道側に求める声が上がったことについて、羽根氏は「ジャーナリズムの存在意義が十分に共有されていないのではないか」と危機感を訴えた。

 毎日は旧優生保護法による強制不妊手術の実態を一連のキャンペーンで伝えた。遠藤氏は「今後も調査報道を続け、当事者の救済に弾みをつけたい」と語った。

 河北は東日本大震災の津波で84人の犠牲者を出した石巻市立大川小の避難事故を検証した。冨樫氏は「遺族や地域住民の貴重な証言がなければ成り立たなかった」と振り返った。今後の学校防災を考える上での課題に、教員の業務量の削減、児童・学校・家庭の三者の信頼関係の構築を挙げた。

 デジタル空間での記事の読まれ方を分析する朝日の「Hotaru(ホタル)」開発に携わった今垣氏は「読まれる記事、時間帯、流入元の傾向が記者の間で浸透した」と述べた。野口氏は「新聞社の未来の光となるよう、記者や編集者に伴走しながら改善を繰り返したい」と話した。

 河北の武田氏は、震災伝承と防災啓発の取り組みは「新聞社の信頼感の基盤だ」と述べた。各地で災害が起こる中、活動の重みは増していると指摘。「今後もプロジェクトを堅持、進化させる」と語った。

 信濃毎日はケーブルテレビ向けの記事要約を人工知能(AI)で自動化した。組み版や画像処理をAIが手掛ける新システムも今月導入。古田氏は「変化に対応しながら、新聞業界の行く先を明るく照らす技術開発に取り組みたい」と話した。

 国立情報学研究所社会共有知研究センターの新井紀子センター長・教授が「AI時代に求められる読解力」と題して講演した。教科書や新聞から作った読解力テストの結果を基に、教科書の内容を正確に読み取れない子供が多いと指摘。新聞は字数の都合で主語と目的語を省く表現が多いとし「それを読み解く力は新聞を読むことで培われる」と述べた。

 新聞協会会員社幹部ら480人が参加した。これに加え宮城県内の8大学、4高校から招いた計300人が協会賞受賞スピーチや講演に耳を傾けた。

→会長あいさつ

→大会決議

ページの先頭へ