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《新聞技術フォーラム》費用圧縮と編集効率化図る 毎日、素材管理をクラウド化

 新聞協会は11月28日から3日間、第23回新聞製作技術展(JANPS18)に合わせて新聞技術フォーラムを開いた。毎日の三宅直人執行役員制作技術担当技術本部長が新素材管理システム「MIRAI(ミライ)」について講演。記事や写真などはクラウドサーバーで管理するため「ハード面の更新が不要で、費用を節減できる」ことを利点に挙げた。記者の出稿予定を編集部門全体で共有し、原稿ごとに締め切り時間を設ける運用も取り入れ編集作業の効率化を図る。

 ミライは情報技術を使った基幹システムを手掛けるフューチャーアーキテクト(東京都品川区)との共同開発。11月20日付の毎日小学生新聞から稼働させた。本紙は26日付朝刊の特集面から運用を始めた。ニュース面は12月10日付夕刊から切り替える予定。

 三宅氏はミライの特徴の一つに「出稿予定の共有化」を挙げた。編集部門の負担軽減や迅速な記事発信につなげる狙い。

 各記者がその日の予定を入力する。これまでは口頭やメモで一部の人だけが把握していたが、記事の概要や出稿時間を出稿、編集、デジタルの各部門で共有できる態勢に変えた。

 原稿ごとに出稿時間を定めるタイムキーパー制度も取り入れた。校閲や整理業務の負担軽減にとどまらず、出稿時間の明確化により「取材記者の労働時間や質の均一化が図れる」と話した。

 紙の新聞を前提とした出稿体制からの脱却を目指す「コンテンツファースト」への意識改革を図る。三宅氏は、出稿時間を定めることで紙面より先に質の高い記事を出せるとし「記事は新聞社の最も誇るべき資産だ。読まれる時間に読まれる記事を発信することが重要だ」と述べた。

産経も検討着手 UPS更新機に

 産経は東京本社の無停電電源装置(UPS)の更新時期が迫る。安藤久泰システム本部チーフエンジニア兼情報セキュリティ推進事務局長は、この更新費の負担を減らそうと基幹システムクラウド化の検討を始めたと述べた。

 次期システムは新聞制作だけでなく総務など全ての業務を対象に構築する。現在の新聞制作システムも当初はサーバーを外部に置く計画だったという。

 安藤氏は「2020年の東京五輪の前に新聞制作系のシステムを移行したいが、現時点では難しい」と見通しを語った。

見出し生成AI 実用化レベルに 朝日・田森氏が講演

 朝日のメディアラボエンジニア・田森秀明氏は人工知能(AI)研究について講演した。開発を進める見出しの自動生成や記事校正技術などを紹介。見出し生成は既に実用化できる水準にあると述べた。

 見出しを作るAIは文字数を指定すると複数の候補を提示する。今後は既存システムにどう組み込むかといった課題や、費用対効果を検証する必要があると話した。

 新聞社のAI開発については今後、限界を感じ撤退する動きも出るだろうとみる。それでも「新聞作りの核となる技術は自社で開発するべきだ」と述べた。

 フォーラムはTOC有明と、JANPS会場の東京ビッグサイト(ともに東京都江東区)で開いた。3日間で585人が参加した。

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