新聞協会広告委員会は5月10日、昨年10月に実施した「2003年全国メディア接触・評価調査」の結果を発表した。調査結果から、新聞には(1)社会に浸透するエッセンシャルメディア、(2)メディアとメディアをつなぐハブメディア、(3)企業価値を高めるブランディングメディア――としての三つの力があることが分かったほか、日常生活に欠かせない基幹メディアであることがあらためて確認された。同委員会はPR用リーフレットや「新聞広告データアーカイブ」(http://www.pressnet.or.jp/adarc/)などを通じて、広告主や広告会社に積極的に新聞広告の有用性をアピールしていく。
同調査は前回、01年に続き二回目。全国の15歳以上69歳以下の男女6000人を対象に新聞、テレビ、ラジオ、雑誌、インターネットの5媒体への接触状況や利用・評価を調べた。有効回収率は64.6%。
「世論形成への影響力がある(80.4%)」「新聞を読むことは習慣になっている(78.1%)」「子どもには新聞を読ませるべき(81.1%)」など閲読者の新聞に対する意識や行動に関する設問で、新聞は高く評価された。社会、生活、教養への浸透力が新聞にはあり、社会生活に必要不可欠なメディアとして位置付けられていることが明らかになった。
人々が複数のメディアを使い分けている状況を調べた設問では、新聞が複数の情報ソースの橋渡し役(ハブメディア)であるとともに、新聞とテレビの関係が緊密であることが分かった。新聞閲読者のうち、「テレビで知ったニュースを新聞で確認することがある人の割合は93.0%、逆に「新聞で知りテレビで確認することがある」のは77.5%。各メディアの利用者の中で「他のメディアで知ったニュースを新聞で確認したことがある」人の割合は56.4%だった。
また、企業の経営内容・業績、理念や姿勢に関する情報がどのメディアの広告から伝わるかを尋ねた設問では、6項目中5項目で「新聞広告」がトップに挙げられた。新聞は、ブランド構築にかかわる企業の伝達メディアとして評価されていることが分かる。
主要5媒体への接触状況では、全回答者の94.5%が新聞に接している。一週間の平均接触日数は5.7日だった。
新聞への印象・評価は、全体で「情報源として欠かせない(58.2%)」「社会に対する影響力がある(55.8%)」「地域や地元の事がよく分かる(54.3%)」などで高い評価を得ており、社会に根づき影響力、実用性、信頼性に秀でたメディアだと認識されている。他のメディアの1位の項目は、民放が「親しみやすい(67.8%)」、NHKが「社会に対する影響力がある(52.6%)」、インターネットが「情報量が多い(43.7%)」など。
新聞広告は全体の約9割の人が見ており、「情報が信頼できる(60.9%)」「内容が公平・正確(50.5%)」「役に立つ広告が多い(49.1%)」などで評価が高く、理性的な訴求に向いていることが分かる。広告接触後に「広告を見て買い物に行くことがある」のは、新聞(51.6%)がテレビCM(35.6%)を上回るなど、消費行動に結びつきやすいのも特長だ。
調査報告書は「新聞広告データアーカイブ」からダウンロードできる。