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2007年2月
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2006年の日刊紙の総発行部数は前年比0.5%減――新聞協会調べ

* 新サイト「47NEWS」がスタート――新聞・通信53社が参加
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阪神大震災から12年、「1.17」体験警鐘テーマに特集――神戸・在大阪の各紙
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2006年の日刊紙の総発行部数は前年比0.5%減――新聞協会調べ

 新聞協会は昨年末、2006年10月現在の「日刊紙の都道府県別発行部数と普及度」調査結果をまとめた。総発行部数は前年比0.5%減の52,310,478部で、2年連続の減少となった。一般紙は2年連続、スポーツ紙は6年連続の減少となった。

 調査対象は新聞協会加盟の120紙。前回調査から対象紙、発行形態の変更はない。内訳は朝刊と夕刊を発行するセット紙45、朝刊単独紙61、夕刊単独紙14。

 一般紙の部数は0.3%減少した。セット部数は1.9%減で16年連続の前年割れ。朝刊単独部数は0.4%増えたものの、夕刊単独部数は3.6%と大きく減った。スポーツ紙の部数は2.3%減少した。

 普及度を見ると、一世帯当たりの部数は1.02部。一部当たりの人口は2.43人となっている。


サイト「47NEWS」がスタート――新聞・通信53社が参加

 共同通信社を母体とする全国新聞ネットが運営するニュースポータルサイト「47NEWS」が昨年12月24日、オープンした。全国52の新聞社と共同通信社の内外ニュースや、観光・グルメなどの地域情報を一覧できる。各社サイトにリンクさせるハブサイトとして、地方紙サイトのページビュー増も狙う。

 新サイトでは、新聞各社が発信する一般・スポーツニュース、観光・グルメ情報などを地図上に埋め込み、位置情報と関連付けて一覧させる。トップページには、各社が推すユーモラスな話題や、心が温まるニュースを提供する「ホッとニュース」を配置。また、国内外の主要ニュースや写真、動画ニュースも掲載している。

 「言葉ランキング」のコーナーでは、各新聞社から収集したニュースを基に、当日の注目されるキーワードを抽出。キーワードごとに、全国の記事が閲覧できる。

 「おでかけ」のページでは「祭り」「あじわう」など13のテーマごとに、地方の生活情報を紹介。編集部で選んだテーマに沿った記事特集も組む。

 収益は広告で確保する。一部の参加社と共通の広告を掲載する仕組みも取り入れた。

 全国新聞ネットでは今後、双方向型コンテンツを導入するなど、より楽しめるサイトを目指す。「ニュースへの取り組みを見ても、各社の考え方の変化は早い。各社が生き残りをかけて自己変革する歩みと並行してサイトも進化する。魅力あるものにしていきたい」という。

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目指せメタボリック克服――神奈川新聞、沖縄タイムスが記者体験を企画

 神奈川新聞と沖縄タイムスで1月1日から、記者が自らメタボリックシンドロームの克服に挑む体験企画の連載が始まった。神奈川の企画は、文化部のK記者(47)がスポーツ医科学センターで取り組む「メタボ記者改造計画」。沖タイの「めざせBMI22! メタボ兄弟」では、100キロを超す記者2人が1年かけて減量に挑戦する。

 内蔵脂肪型肥満に加え血糖値、血圧、血清脂質のうち二つが危険域にあるとメタボリックシンドロームとされる。生活習慣病を発症しやすい。その数は、40歳以上の日本人の4人に1人と言われる。両社の記者は「体を張った」取材で、読者にメタボ対策の情報を提供している。

 神奈川の「改造計画」は毎週月曜日の健康面に掲載。K記者が専門医の指導を受け、メタボ克服に挑戦する様子をリポートする。

 K記者は「僕が実験台になることで、読者の役に立ってくれればうれしい」と話す。紙面には「初トレーニングに悲鳴」と、つらそうな見出しが並ぶ。「一番つらいのは腹筋。5回をすぎると上がらなくなる」とは本人の弁。半年後に健康な体を取り戻すのが目標という。

 沖縄タイムスの企画「メタボ兄弟」は毎月第2水曜日、くらし面で展開する。学芸部のT記者(39)、社会部のT記者(32)の2人が医師の指導のもと、1年かけてダイエットに取り組む。名字が同じ二人だが、本当の兄弟ではない。

 「長寿の島」と言われた沖縄でも近年、平均寿命が短くなる長寿危機や肥満の危機が叫ばれている。T記者は「何とか改善に向かうきっかけになってほしい」と話す。

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阪神大震災から12年、「1.17」体験警鐘テーマに特集――神戸・在大阪の各紙

 6,400人以上が亡くなった阪神・淡路大震災の発生から1月17日で、12年を迎えた。地元の神戸新聞や在阪各紙は同日付朝刊で多彩な関連記事・特集を大きく紙面を割いて展開。震災体験の継承をテーマに、被災者の心に今も残る震災の傷跡や復興に向けた町の取り組みを伝えるとともに、防災の重要性や課題を訴えた。

 神戸新聞は、過去の出来事を現在の視点で伝える「神戸クロニクル」で震災を取り上げた。震災当日の夕刊をイメージした一個面の号外ふうの紙面には「兵庫県南部で大地震」「死者・不明千人超す」「阪神高速が倒壊」などの見出しが並ぶ。

 神戸クロニクルでは、過去に1938年の阪神大水害や1945年の神戸空襲、終戦などを取り上げており、今回で5回目となるが、担当者は「一番作りたかったのは震災の紙面。発生当時、伝えるべきことを伝えきれなかった悔しさを思い出しながら編集した」と話す。神戸新聞社は本社社屋が被災し、わずか4ページの夕刊しか発行できなかった当時を振り返った。だが、今でも取材先では「あの薄っぺらな新聞に励まされた」との声を聞くという。

 取材を担当した記者の多くは当時、入社していなかった。取材を指揮したデスクは「若い記者にとって、12年前に取材した記者の思いを実感しつつ、被災者の声を聞く機会になればよいと思った」と話している。取材の過程では、12年たった今でも当時を思い出したくないという理由から、取材に応じてくれない被災者もいたという。

 神戸新聞はまた、8ページの別刷り特集を合わせて発行した。全国の活断層の中でも地震発生確率が高いとされている兵庫県西部の断層帯地震の被害想定や、災害で負傷した際の応急処置などを紹介した。

 現在の小学6年生が今春卒業すると、小学校の児童は全員、「震災後生まれの世代」となる。朝日新聞大阪版は「12歳」をキーワードに紙面を展開した。「12歳の君へ」と題した4ページの特集では、震災を知らない世代への体験、教訓の継承に加え、防災教育に焦点を当てた。社会面では、震災の痛手の中で育った震災後世代への心のケアの必要性を訴えた。

 「12歳」は当初、震災から12年が経過し、どう体験や教訓を語り継ぐかという課題を浮かび上がらせるためのキーワードだった。しかし、担当者は「まだ12年しか経っていないとの印象を強くした」という。「震災後世代にとっても震災は生々しく身近な体験であり、決して風化は始まっていない」と話す。

 12歳に焦点を当てた朝日新聞大阪版とは対照的に、読売新聞大阪版は2ページの減災特集で団塊世代を取り上げた。被災した自治体で復興の先頭に立ったベテラン職員が退職していくなか、被災体験や防災ノウハウを継承していくための取り組みを紹介している。

 毎日新聞大阪版は、震災直後に連載した「希望新聞」のタイトルで、地域福祉などの活動を通じて「共助」を支える人々を3ページにわたり特集。震災のモニュメントがある271地点を記した「震災モニュメントマップ」も見開きで掲載した。

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