2024年 3月26日
共に学ぶ場 魅力と課題探る

沖タイ「共に学んで ゆい教室から巣立つ」 3月4~6日(全3回)

 重度の知的障害がある仲村伊織さん(21)は高校受験に3年続けて挑んだものの、不合格とされた。転機は2021年。中重度の知的障害がある生徒を対象にした教育制度「ゆい教室」が沖縄県立真和志高(那覇市)に導入されたことだった。ゆい教室では、障害がある生徒が特別支援学校のカリキュラムに沿って学校生活のほぼ半分を障害のない生徒と共に過ごし、授業に参加できる。仲村さんはゆい教室に通い、今月卒業した。

 仲村さんが中学生だった当時から取材し続ける学芸部の嘉数よしの記者がゆい教室の成果や課題を探った。連載は、ゆい教室の導入が決まった際に玉城デニー県知事が唱えた「沖縄らしいインクルーシブ教育」とは何かについて掘り下げることを狙った。

 真和志高は単位制で授業を選択する教育課程を取り入れている。嘉数記者は連載で「一緒に授業を受けるメンバーが入れ替わることで、障害がある生徒も違和感なく入りやすい」との専門家の解説を盛り込んだ。

 他方、複雑な思いを抱える保護者がいることにも焦点を当てた。ゆい教室の生徒は感染症対策や誤飲防止のため、昼食を他の生徒と一緒に取らない。「安全への配慮」を理由に、学校にいる間は教員がすぐ近くで生徒を見守ることが多いという。「失敗していいから、できることは子どもに任せていい」――。そう語る保護者の声を紹介した。

 保護者は「お世話になっているから」との思いから、制度に疑問を投げ掛けることを遠慮しがちだと嘉数記者。こうした保護者の思いを代弁するつもりで取材したという。

 嘉数記者によると、県内にはゆい教室の存在を知らずに高校進学を諦める生徒が多くいる。教室の魅力を伝え、学びの可能性があることを伝えたい一方で、課題を指摘する必要もある点が難しかったと振り返る。(阿)

 ※連載はこちらでご覧いただけます。(他社サイトに移動します)

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