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NHKのラジオ番組インターネット同時配信に対するメディア開発委員会の意見

2014年2月14日 

 「日本放送協会が放送法第20条第10項の認可を受けて実施する『協会のラジオ放送が聴取しにくい状況の改善に資するため、その放送番組を放送と同時にインターネットを通じて一般に提供する業務』の認可申請に対する総務省の考え方」に対する日本新聞協会メディア開発委員会の意見

 日本新聞協会メディア開発委員会は、今般総務省が示した標記考え方に対して、下記の意見を述べる。

前提

 当委員会は、NHKだけがインターネットを利用すべきではない、という意見は持っていない。しかし、その利用は、限定的なものであるべきだという立場にある。NHKのインターネット利用の無制限な拡大は、①NHKの主たる業務を放送とし、その放送事業を支えるために受信料制度を定めた放送法の基本概念をゆがめる、②民間による市場の自立・発展を妨げかねない――と考えられるからである。公平な競争条件こそが、メディアの多様性、多元性を担保し、国民の情報選択の幅を維持するために必要である。
 貴省「放送政策に関する調査研究会」(放政研)の第一次取りまとめでは、NHKがインターネット活用業務等を任意業務として実施し得るかどうかを検討する基準として、「公共性が認められること」「放送の補完の範囲にとどまるものであること」「市場への影響の程度」の三つが示された。この点については、当委員会も評価できるものとした。
 これらの観点から、今回の申請に対して意見を述べる。

ラジオ放送番組のインターネット同時配信(らじる★らじる)の実施について 

 当委員会は、ラジオ放送番組のインターネット同時配信(らじる★らじる)の実施に対し、理解を示してきた。ただし、放送対象地域に即してインターネット配信を行うか否かに関しては、民間放送との調整を十分に図るよう求めた。また、得られた知見は広く公開し技術的成果の共有を図ることも求めてきた。今回、携帯端末による利用調査を実施するとしており、スマートフォン・タブレット型端末が急速に普及している環境を踏まえ、その成果を民間にも資するよう還元することを求めたい。 

放送法改正に向けての付帯意見 

 貴省は、第186通常国会に放送法改正案を提出する予定としており、その際は放政研の第一次・第二次取りまとめに沿った形で法案が作成されるものとの理解になるであろう。今回の申請に対する貴省の判断とそれに至る検討過程は、第一次取りまとめで示された3条件がどのように放送法改正案に反映され、運用されるかに関する試金石となる。貴省及び電波監理審議会におかれても、このような認識をもって判断に当たっていただきたい。 

 

以 上 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

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