出張輪島朝市の様子
2024年元日に発生した能登半島地震を目の当たりにし、東日本大震災を経験し風化防止に取り組んできた岩手日報社だからこそできることはないか――。
震災直後の岩手県は、不安と悲しみに打ちひしがれる中で、石川県をはじめ国内外からたくさんの励ましの声や支援をいただきました。今度は「岩手から能登に応援メッセージを届けたい」と考え、地元の北國新聞に広告を掲載するという方法を選びました。
応援メッセージは直接の取材やSNSで募り、そのすべてが励ましや思いやりの気持ちにあふれたものばかりでした。年始の慌ただしい時期だったにもかかわらず、29社・団体から協賛をいただき、発災から10日後の24年1月11日付に掲載しました。
8月には東日本大震災被災者・企業からの支援物資や暑さ対策の生活用品を石川県内に届けました。火災に遭った輪島朝市の現場に立ち「人と人が、地域と地域が助け合うことで、乗り越えられない災害などない」と朝市の復活を支援することを決意。朝市関係者の協力を得て準備を重ね、9月1日付で全面広告を掲載、盛岡市の複合商業施設「monaka」前特設売り場で「出張輪島朝市inもりおかmonaka」を3日間開催しました。
初日の開始前から市民が殺到し仕入れた商品が不足、追加発注するほどの盛況ぶりでした。岩手県民の方々の支援マインドの高さに驚くとともに、誇らしく、うれしい気持ちになりました。
その後も能登地方を記録的豪雨が襲い、追い打ちをかけるような状況に人ごととは思えず、心を痛めました。25年1月で能登半島地震から1年となりました。私たちは東日本大震災でいただいた支援を忘れることなく、これからも岩手から、心と心が通い合うような活動を続けていきます。
新聞広告報783号(2025年1月発行)掲載
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