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新聞社の芽
2025.09.30

「書きトレ!」を契機とした
読者との新たな関係づくり
【西日本新聞社】

営業本部お客さまセンター部長
田﨑 行範(たさき・ゆきのり)氏

西日本新聞社では2025年4月から毎週金曜日付に、朝刊の小中学生向け紙面「こどもタイムズ」の一コーナー「書きトレ!」(商標登録出願済)の掲載を始めました。不確かな情報が飛び交う時代、デジタルネイティブの子どもたちにこそ「紙と鉛筆」による学びの力を知ってもらうことが狙いです。このコーナーのために、記者が子どもたちに知っておいてほしいテーマを分かりやすく記事にまとめています。子どもたちには、記事を読み、同じ紙面に用意されている原稿用紙欄に書き写すことで、ニュースの要点をつかむ力や文章力、社会に対する知識、考える力などを身につけてくれることを期待しています。

当初は小学校高学年以上を主な対象に想定していましたが、アンケート回答結果から、10~14歳の小中学生を中心に、高校生や新聞のコア読者である50~80代も参加していることが分かりました。子どもが取り組む姿を見守る保護者や祖父母からも好評価で、親や兄弟姉妹、祖父母と一緒にチャレンジし、家庭内での会話や学習のきっかけになっていることもうかがえます。また、印刷された活字情報を繰り返し書写する教育効果が高いとして、週末課題や授業で取り入れる福岡県内の小中学校が増加中です。

「継続は力なり」ということで、飽きずに毎週コツコツと取り組んでもらうためには「ご褒美」も必要と考え、書き終わった原稿用紙欄をスマホで撮り二次元コードで送ると抽選で図書カードが当たる仕掛けも作りました。その際のアンケートからは「これを始めてから子どもが新聞に触れる機会が増え、読んだ記事のことを話してくれることもあります」「娘の週末の習慣となってきました。集中力のない日は誤字や字の丁寧さに欠けたりしていますが、継続していることは偉いと褒めてあげたいです」「大人ですが参加しています。読んですぐに書き写してみると、そうだったのか、素晴らしい!など、新たな感動が湧きます」など、楽しんで活用してもらっていることに手応えを感じています。

また、参加した子どもの親から「新聞試読をお願いした時、この書きトレ!を見つけ、挑戦しました。普段なら絶対読まない記事に目を通し、書き写せたことで達成感もあったようです。少しでも興味があるコーナーがあるなら、と新聞購読を決めました。これからも、書きトレ!をやりたい、と言っています。無理なく継続できればいいな、と思っています(母)」と、新規購読契約につながる貴重な事例も生まれています。

夏休みや「読書の秋」の特別企画として賞品内容を変えたり、アンケート結果を基に内容を改良したりと、挑戦意欲を持続してもらう工夫も重ねています。紙面をしっかり読み、手を動かすことを習慣化してもらうことで、現読者と新聞社の関係がより強くなり、販売や広告、イベントなどでの新たなビジネスチャンスにつなげていくことができればと思っています。

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