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新聞広告賞

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 日本新聞協会は9月3日、新聞広告大賞をアサヒビール株式会社の「47都道府県 おつかれ生新聞」に贈ると発表した。
 アサヒ生ビールのキャンペーンの一環として1年を締めくくるタイミングで、その年を象徴する記事を配したビジュアルとコピーを載せた59種類の広告を、全国47都道府県の新聞で展開した。全国向けテレビCMなどで「今年も1年、おつかれ生です。」とのフレーズを浸透させたのに続いて地元密着の新聞広告を活用し、地域に寄り添った形で温もりのあるコミュニケーションを実現した。年の瀬に各地の出来事や人びとの活躍を紹介する記事で2024年を振り返る新聞広告ならではの手法により、ニュースと商品、読者とをつなぎブランディングに大きく寄与した広告企画は、新聞広告大賞にふさわしいと高く評価された。
 新聞広告賞は、新聞広告の新しい可能性を開拓した広告活動を顕彰し、新聞と広告の発展に資することを目的に、1981年に設けられた。「広告主部門」と「新聞社企画・マーケティング部門」の2部門から成り、優れた広告活動を展開した広告主、新聞社に贈る。
 第45回新聞広告賞には、「広告主部門」202件(単独広告主198件、複数広告主4件)、「新聞社企画・マーケティング部門」53件(単独企画48件、共同企画5件)の計255件の応募があった。広告主を対象として新聞広告大賞1件、新聞広告賞5件、優秀賞10件を、新聞社を対象として新聞広告賞5件、特別賞1件、奨励賞5件を選んだ。
 7月11日開催の新聞広告賞選考委員会で受賞対象を決め、9月3日開催の日本新聞協会理事会で承認した。贈賞は10月16日(木)、東京・内幸町の帝国ホテルで開かれる第68回「新聞広告の日」記念式典で行われる。新聞広告大賞には賞状、トロフィー、メダルが贈られる。

[新聞広告大賞]1件

47都道府県 おつかれ生新聞
アサヒビール株式会社

【受賞理由】

 アサヒ生ビールのキャンペーンの一環として1年を締めくくるタイミングで、その年を象徴する記事を配したビジュアルとコピーを載せた59種類の広告を、全国47都道府県の新聞で展開した。全国向けテレビCMなどで「今年も1年、おつかれ生です。」とのフレーズを浸透させたのに続いて地元密着の新聞広告を活用し、地域に寄り添った形で温もりのあるコミュニケーションを実現した。年の瀬に各地の出来事や人びとの活躍を紹介する記事で2024年を振り返る新聞広告ならではの手法により、ニュースと商品、読者とをつなぎブランディングに大きく寄与した広告企画は、新聞広告大賞にふさわしいと高く評価された。

掲載= 2024年12月28日、全国54紙(59種切り替え)/全15段、カラー

[広告主部門 新聞広告賞]5件(広告主名50音順)

ばかくやしい甘口カレー味完全終了
株式会社栗山米菓

【受賞理由】

 原材料費の高騰により米菓「ばかうけ」のアソートパックのフレーバーを5種から4種にするのに伴い、「甘口カレー味」の終了を全ページ広告の表裏を活用して告知した。「言いにくいことほど、ばかでかく」をコンセプトに、ネガティブな内容を包み隠さず、地元・新潟県に向けて方言で面白く伝えることで、ファンへの誠意を示した。全国向けテレビCMや都内の交通広告、県内カレー店での「限定ばかうけ付き甘口カレーセット」の提供など、紙面以外でも多様な企画を展開し、Xでは紙面掲載から1か月で3億以上のリーチを獲得した。後ろ向きな情報をユーモアを交えて伝えることで、企業姿勢への好感につなげた広告企画として高く評価された。

掲載=2025年3月3日、新潟/全15段×2(表裏)、カラー

スキップとローファーと能登
株式会社講談社

【受賞理由】

 2024年1月の能登半島地震から1年を前に、石川県の能登地方を出身とする高校生を描く人気漫画『スキップとローファー』の復興支援特設サイトを開設し、新聞広告で告知した。サイトを訪問して同作の第1話を読むことで、講談社が1人につき100円を石川県の義援金口座に寄付する仕組み。作品と主人公のふるさと・能登への愛着を感じてもらい、復興支援につなげた。SNSで大きな反響を呼び1か月で10万人以上が閲覧して、寄付金額は上限に設定していた1000万円に達した。作品の新規読者を獲得するとともに、漫画のコンテンツ力や影響力を生かし復興支援を実現した広告企画として、高く評価された。

掲載=2024年12月23日、朝日/全15段、カラー

シャボン玉石けん無添加50 周年 舌で出来具合を確かめる。食品ではありません。 石けんの話です。
シャボン玉石けん株式会社

【受賞理由】

 無添加せっけんに製造・販売を切り替えてから50周年の節目に、品質に徹底的にこだわり続ける企業姿勢を新聞広告を通じて発信した。口に含んで舌でせっけんの品質を確かめるという、一見食品の製造過程にも見える写真にコピーを重ね、丁寧な工程と自社製品の安全性への強い信念を訴求した。社長自らが真摯(しんし)に製品に向き合う姿勢を表すクリエーティブは読者の共感を呼び、SNSでも大きな反響と好意的な意見が寄せられた。テレビCMやウェブ広告なども活用して複合的に展開し、新聞広告の表現力を生かして製品とユーザーに誠実に向き合い、企業ブランディングに貢献した広告企画として高く評価された。

掲載=2024年8月27日、朝日/全15段、カラー

「魔法のかまどごはん」防災の日
タイガー魔法瓶株式会社

【受賞理由】

 防災の日に合わせ、電気やガスなどのライフラインが遮断されても使用できる炊飯器の新聞広告を掲載した。紙面中央に商品の写真と「この新聞を燃やしてください。」というコピーを配置し、災害時に新聞紙1部を燃料とすることでご飯が炊ける商品特性を訴求した。印象に残るクリエーティブとインパクトのあるコピーは、災害への備えを意識させる上でも関心を集めた。SNSで大きな反響を呼び、広告掲載後にはECサイトでの販売数も大きく増加した。特定の日付に掲載できる新聞広告の特長と社会的メッセージ、紙媒体の特性を生かし、斬新な表現で商品の認知度向上と売り上げに貢献した広告企画として高く評価された。

掲載=2024年9月1日、朝日、読売/全15段、カラー



ブラックサンダーの恩返し
有楽製菓株式会社

【受賞理由】

 チョコレート菓子「ブラックサンダー」の発売30周年を迎えるにあたって、かつて売り上げ不振により一時生産を中止した時に復活を熱望し再販売のきっかけをつくった九州の卸業者や小売事業者、消費者へお礼の気持ちを伝え、当時の「恩人」を探す新聞広告を掲載した。尋ね人広告を思わせるコンセプトは読者の興味を引き、逆境を乗り越えた人気商品の歴史と誠実な企業姿勢は多くの共感を呼んだ。博多での限定パッケージ商品の配布やSNSを通じた動画公開など立体的な展開で恩人の発見につながった。新聞広告の信頼性を生かして周年の感謝を真摯(しんし)に伝え、商品のブランディングに貢献した広告企画として高く評価された。

掲載=2024年7月17日、西日本、佐賀、長崎、熊本日日、大分合同、宮崎日日、南日本/全15段、カラー

[広告主部門 優秀賞]10件(広告主名50音順)

◇音でみるレシピ SOUNDFUL RECIPE
味の素株式会社
◇ピザ半額キャンペーン
Uber Eats Japan合同会社


「広告事例」掲載ページ
◇生理用品で職場環境を変える“職場のロリエ”
花王株式会社
◇PAINT IT BLUE. 青く塗れ。
共立設備工業株式会社




◇ゴジラ対(つい)サガ
佐賀県
◇新成人/新社会人応援広告企画「あの頃の僕へ」・「人生の扉」
サントリーホールディングス株式会社




◇本屋、やりませんか?あたらしい本屋をつくる仕組み「HONYAL」
株式会社トーハン
◇見ちゃうよね?
フェザー安全剃刀株式会社




◇いつか「偏見」も、除去されますように。
3・21は、世界ダウン症の日です。
株式会社ヘラルボニー、公益財団法人日本ダウン症協会
◇熨斗って何?
株式会社 源 吉兆庵ホールディングス

「広告事例」掲載ページ

[新聞社企画・マーケティング部門 新聞広告賞]5件(新聞協会会員名簿順)

フェムケアプロジェクト2024-2025 国際男性デー「ぼくたちはどう生きるか」国際女性デー「半径5mの世界を変える!」
産経新聞東京本社 メディアビジネス局

【受賞理由】

 女性特有の健康課題をケアするため、まずは相互理解や対話から始めようと2021年に始めた「フェムケアプロジェクト」を発展させ、誰もが生きやすい社会を目指す社内横断プロジェクトを展開した。認知度の低い11月19日の国際男性デーに男性の心と体の健康に注目した広告を掲載した。1000人規模のイベント開催や関連記事、グループ会社挙げての多角的な発信で関心を高めた。3月8日の国際女性デーでもラッピング紙面やイベント、関連記事で訴求した。新聞社の企画力と発信力を生かし、多様な人の健康上の悩みや生き方に寄り添うために行動変容を促すことで、協賛社の企業ブランディングや新聞社の収益性に寄与した点が高く評価された。

掲載=2024年10月20日、11月19日、2025年3月8日/ラッピング全60段、全15段×2、全15段、カラー

北海道フードフィルムフェスティバル
北海道新聞社 アンビシャス・プロジェクト推進室/営業局

【受賞理由】

 食文化の担い手育成や北海道ブランドの訴求を目指し、行政や芸能プロダクションと連携して開催した映画祭を、紙面広告を含む新聞社の総合力で成功させた。食にまつわる映画の上映、俳優など豪華ゲストが登壇するイベント、上映作に関連するメニューの市内レストランでの提供など立体的な展開で盛り上げ、3日間で6700人を集客した。名物のラーメンと映画のフィルムをかけ合わせたクリエーティブの新聞広告で告知し、話題を喚起した。構想から10年を経て実現にこぎつけ、22社の協賛を得て地域振興に貢献した点や、持続可能性のある企画で新聞社として新たな収益源を確保した点が高く評価された。

掲載=2024年10月20日、11月18日、11月19日、11月22日、11月25日/全15段、全5段、カラー

あきた弁博特集 帰ってきたアキタベン-あきた弁企業かるた-
秋田魁新報社 営業局

【受賞理由】

 読者が秋田弁の魅力を再認識する機会を作るため、複数回にわたり広告企画を展開した。初回に20ページの広告特集を発行し、その後かるた形式の企業広告を掲載した。広告特集では万博をモチーフに、さまざまなご当地言葉や地域ごとの特徴、名作に登場した方言などを紹介した。二次元コードから遷移する音声ガイドや語彙集、メインコピーも秋田弁で統一した協賛社広告で、読者を楽しませた。続いて掲載した企業広告は切り取ってかるたとして楽しむことができ、教育現場からも大きな反響があった。方言を通じて活字メディアで展開した企画は広告主などから好評を博し、地方紙として地域のアイデンティティー保持に貢献した点が高く評価された。



掲載=2024年10月15日、2025年2月23日、3月9日、3月30日、4月6日、4月20日/別刷り20ページ、全5段×2(見開き)、カラー

りんごと脱炭素社会 Go!ゼロカーボン!
信濃毎日新聞社 マーケティング局

【受賞理由】

 信州で西洋りんごの植栽が始まって150年となる節目に、異常気象が栽培環境に悪影響を及ぼしている問題を訴え、脱炭素への行動を促す広告企画を展開した。初日のラッピング広告は、実がないりんごの木で地球温暖化が進む世界を表現した。スマートフォンで紙面を読み取り環境を守る行動を投稿すると、AR(拡張現実)上に現れる木に実が成る仕掛けを施し、1投稿につき50円を環境団体などに寄付した。2か月後に4日連続で広告特集を掲載し、脱炭素に向けた行動を紹介したりんごの木のモザイクアートで紙面を飾った。イベントの開催と合わせ脱炭素への関心を高め、70社の協賛社とともに環境保護への行動変容を促した点が高く評価された。



掲載=2024年11月22日、2025年1月28日から1月31日/ラッピング全60段、全60段、カラー

「佐渡島の金山」世界遺産登録推進キャンペーン SADOプライド
新潟日報社 ビジネス局

【受賞理由】

 新潟県民にとって長年の悲願だった「佐渡島の金山」の世界文化遺産への登録実現に向け、2021年8月から広告企画を展開した。伝統芸能の紹介や佐渡観光応援公式サポーターのNGT48を起用した島の魅力発信など、毎年テーマを変えて特集を組んだ。24年7月には登録を審議する世界遺産委員会の初日に読者からの応援メッセージを紹介し、決定の翌日はラッピング紙面で祝福した。ウェブサイトや動画での発信により観光促進に寄与し、島内で実施したスタンプラリーには県内外から5千人以上が参加した。70社の広告主とともに長期にわたり、県民の誇りである文化遺産を後世へ残す機運を高め、登録を後押しした点が高く評価された。



掲載=2021年8月30日から2025年3月8日/ラッピング全60段、二連版全30段、全15段、カラー

[新聞社企画・マーケティング部門 特別賞]1件

特集号「読者とつくる昭和100年新聞」
秋田魁新報社 営業局

【受賞理由】

 昭和100年の節目を迎えた2025年の昭和の日(4月29日)に、読者から寄せられた思い出の写真を軸として「昭和の元気」を振り返る24ページの別刷り特集を発行した。読者目線で昭和の流行などをひも解き、思い出の人へのメッセージなども載せたユニークな特集や、当時のメディアを再現するために過去の記事や写真を再活用したり、欄外の日付欄を右からの横書きにしたりと細部までこだわったクリエーティブは広告主から好評を博し、目標を上回る52社の協賛を集めた。新聞の取材力とアーカイブ性も発揮した遊び心にあふれた企画はSNSで広く拡散され、幅広い世代から反響を集めた点が高く評価された。

掲載=2024年12月31日、2025年4月29日/別刷り24ページ、全15段、カラー

[新聞社企画・マーケティング部門 奨励賞]5件(新聞協会会員名簿順)

◇「ホームラン印 野球そば」プロジェクト
岩手日報社 総合ビジネス局
◇王子動物園の人気パンダ「タンタン」の追悼事業
神戸新聞社 メディアビジネス局

「広告事例」2024/5/6
「広告事例」9/13

◇おかやまプレミアムダイニング
山陽新聞社 営業局(現・地域プロデュース局)
◇Hiroshima Open Innovation Conference -TSUNAGU 広島-2024
 中国新聞社 地域ビジネス局

「広告事例」掲載ページ

2024平和企画
長崎新聞社 メディアビジネス局