カラー画像処理を行う工程で、原稿やカラーディスプレーと印刷機で印刷したものとで色の違いが生じる。これを防ぐため、入力から画像の加工、出力、印刷までの色の管理を行うことを「カラーマネジメント」といい、ソフトウエアでカラー管理するシステムを「カラーマネジメント・システム」という。
紙媒体に印刷する時に色を再現するための青(シアン)・赤(マゼンタ)・黄(イエロー)・黒(ブラック)の四つの色素。多色印刷においては、この四つのインキをそれぞれの濃度で重ね塗りすることで色を再現する。青・赤・黄の3色だけでもほぼ再現できるため、3色だけを使う場合もある。三つの色を重ね塗りするとほぼ黒に近い色になる。
デジタル処理されたレイアウトデータ、画像データを直接プリントアウトする装置。フィルムレス校正に使用する。
コントラストと細部の再現性を考慮し、C(シアン)・M(マゼンタ)・Y(イエロー)の3色が混合するグレー成分をスミ版(ブラック)に置き換えること。UCRは主にシャドー部のインキ量を抑えるのに対し、GCRは主に中間領域、およびカラー領域の印刷再現性を向上させるために用いる。
Hue(色相)、Saturation(彩度)、Brightness(明度)の3成分からなる色空間。
カラーマッチング用データ。異なったアプリケーションや異なったメーカーのカラープリンターで出力する際に、システムあるいは機器の特性を合わせるために、その特性を定量的に測定することを目的にICC(International Color Consortium)によって開発された標準ファイル形式。ICCプロファイルフォーマットをサポートするアプリケーションやオペレーティングシステムは、デバイスの特性を定量的に把握することができる。
国際照明委員会(CIE)が策定したCIE L*a*b*(CIELAB)色空間のこと。Labと表記することもある。CIE 1931 XYZ 色空間から派生したもので、L成分値は人間の明度の知覚に近い。知覚等価性を重視している色空間なので、色差を調べる場合に利用される。
日本新聞協会が日本広告主協会(現日本アドバタイザーズ協会)、日本広告業協会の協力を受け、新聞52社のテスト印刷を経て2006年10月に策定した新聞広告印刷のためのカラー広告色見本プロファイル。新聞輪転機の特性を反映しているため、プロファイルを原稿制作に利用することにより、色ゲラに近いきれいな印刷が可能となる。(詳しくはパンフレットをご覧ください)
コンピューターやテレビ画面の色を再現するための赤・緑・青の光の3原色。この3原色を混ぜ合わせることで無数の色を作ることができる。三つの色を100%ずつ重ね合わせると白色になる。
ある1画素に対して与えられるCMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)のパーセンテージの合計。
カラー原稿を4色分解するときに、CMY(シアン・マゼンタ・イエロー)の3色が重なった部分にはグレーの成分が発生する。その成分をスミ版(ブラック)に置き換える時の方式。ある程度以上の濃さのグレー成分をスミ版に置き換え、トータルのインキ量を減らすことを目的としている。なお、よく使う「240%以内」という表現は、CMYKのインキ使用量の合計パーセンテージが240%を超えない設定で分解することを意味する。
カラーの写真などをCMYK、または特色ごとに分けること。2色以上のインキを使う新聞カラー印刷においては、使用するインキの数(通常CMYK〈シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック〉、または特色)だけフィルムまたは刷版を使用する。
光の色を絶対温度の単位であるK(ケルビン)で表して、数値化する方法。色温度が低いときはオレンジ色で、高くなるにつれ、黄色っぽい白から青みがかった白へ変化する。写真やテレビ、パソコンのモニターなどでは正確な色の再現のための重要なポイントとなる。
「赤」や「黄色」といった言葉による色の表現では、広告主や広告原稿制作者が意図した色で印刷物を作ることは難しい。そのため、原稿制作や印刷を行う時には参考となるサンプルを用いる。これを色見本という。原稿制作時であればカラーチップや過去の印刷物、印刷時であれば校正刷りやカラープリンターでの印刷物を色見本として使うことが多い。
製版・印刷工程に入る前に広告主にプレゼンテーションすることを目的とした、色づけしたものをカラーカンプという。最近では、DTPやCEPSで処理したデジタルカラー画像を、カラープリンターやカラープロッターで出力したカラーのハードコピーも「カラーカンプ」と呼んでいる。
印刷時の色見本として使用されるほか、広告主などに対して「実際の印刷ではこう刷り上がる」という、品質、レイアウトなどの確認やチェック等にも利用される。
プリンター、モニターなどの機器それぞれが表現できる色の範囲をグラフ化したもの。
色情報を入力・出力するすべてのデバイスに対して、既知のデータに対する入出力データのずれを定量的に把握するプロセス。デバイスに対して、メーカーまたはユーザーが業界標準に対応させるための作業である。すべての色制作のためのデバイス(スキャナー、モニター、プリンター)を実際の出力値に調整して合わせる操作をいう。標準の設定状況はもちろん、メーカーやユーザー、もしくは業界全体の指定に確実に順応していくためのプロセス。
カラーバイアスなしでニュートラルグレーを作り出すために必要な色料間のバランス。CMY(シアン、マゼンタ、イエロー)を使ってむらなくグレーを出すのは困難とされるが、カラー印刷時には非常に重要な要素となる。
特色。CMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)4色のインキを用いるプロセスカラーよりも忠実に再現できる。新聞印刷ではそのインキを意味することもある。コーポレートカラーなどに使用されることが多い。
色の性質を表す3要素のうちの一つで、色の鮮やかさのこと。色素の密度で測定する。値が大きくなるほど鮮やかになる。
各業界で色の標準化が進むなか、新聞印刷に関してもカラー広告のデジタル化が進み、印刷の色基準となるデータが必要となった。ISO(国際標準化機構)/TC130国内委員会の新聞用ジャパンカラー(JCN)検討委員会では、2000年9月からJCN策定に向けた検討を開始し、2002年9月19日に規定値(印刷用紙とインキの色特性値、印刷色の特性値)を決定した。
二つの色の差。L*a*b*の色空間の中での二つの色座標間の距離を示す⊿Eという数値で表現する。2点間の距離が長いと、⊿Eの値も大きくなり、人間の見た目での色の違いも大きくなる。
色の性質を表す3要素のうちの一つで、色の波長の違い。赤や緑などの有彩色の色味として現れる。
二つの色の差を数値で表現する。2点間の(L*値の差)(a*値の差)(b*値の差)それぞれの二乗の和の平方根で計算する。人間の目で見た場合、⊿Eの値が1以下ではほとんど区別することができない。1.6~3.2では二つの色をつきあわせれば区別できるが、離して見ると区別がつかない。一般的には同じ色。3.3~6.5では感覚的な印象としては同じ色として判断される。6.5~13.0では色の差は認識されるが、同系統の色と判断される。13.0~25.0では別系統の色として認識される。
新聞用ジャパンカラーでは、許容幅として⊿E6と定めており、6以上は規格外となる。
カラー印刷で抜き合わせにする部分に行う。版ズレが影響しないように境界部分をわずかに重ね合わせること。
CMYK(シアン・マゼンタ・イエロー・ブラック)の4色インキを用いて色を表現すること。この方式とは違い、個別に1色のインキを使用してカラー印刷する方式をスポットカラーと呼ぶ。
カラーの画像を輪転機やプリンターなどで出力、印刷した際に出力物がそれらの特性、条件により差異が出てしまう出力前にデータの色情報を交換し、できる限り同じ色が出るよう色情報を補正する必要がある。この時、色情報を補正するために使われるデータをカラープロファイルという。
白い光を当て、反射して返ってくる光を波長ごとに解析し、色を数値で表す測色装置。色の値だけでなく、ベタ濃度やドットゲイン・色差などが測れる機種もあり、カラーマネジメントや印刷品質管理に欠かせないものとなっている。
物の正確な色を決めるための標準の光のこと。分光エネルギー分布の異なる標準光源A、B、Cと標準イルミナントD65がある。
Aは白熱電球の光、Bは正午の直射日光の太陽の光、Cは晴天時に北窓で受ける青空の光。D65は紫外線を含む平均的な昼光。印刷物は、屋外の太陽光で見る場合と室内の蛍光灯の下で見る場合では色が違って見える。これは光源が違うため。光源は色温度と演色性によって表す。印刷物の色管理を行う際には、5,000~5,500ケルビンを使うことが一般的となっている。
従来の紙ベースに出力したプルーフに代わり、モニターディスプレーで色の確認を行う。業界色基準などを基にして、液晶モニターと実印刷物の高精度なカラーマッチングを実施できれば、実印刷までの工程が効率化され、コスト削減につながる。
色の性質を表す3要素のうちの一つで、色の明るさのこと。どれだけ白に近いかで測定する。白に近づくほど明度は大きくなり、黒に近づくほど明度は小さくなる。