BPID(ビーピーアイディー・Business Protocol ID:ビジネスプロトコルアイディー)
アルファベット4ケタで表す業界を識別するための記号。CIIシンタックスルールによってEDIを行う際には、BPIDの新規登録とデータタグ番号枠の取得申請が必要になる。これによって、業界ごとに存在する標準メッセージを識別できる。日本電子機械工業会(EIAJ)のBPIDは「EIAJ」、日本新聞協会広告委員会は「NEWS」である。ここでいう業界とは、業種ではなく、取引の範囲を示している。BPIDは日本情報処理開発協会電子商取引推進センターが管理する。BPIDを取得している業界は2007年5月現在、23業界である。
CII(シーアイアイ・Center for the Informatization of Industry:日本情報処理開発協会産業情報化推進センター)
旧通商産業省の外郭団体である日本情報処理開発協会(JIPDEC)の産業情報化推進センターのこと。産業の情報化について各種の調査研究を行うとともに、ビジネスプロトコルの標準化のための事業等を通じて産業情報化の円滑な推進に寄与することを目的に発足した。日本の産業界におけるEDIの普及・啓蒙(もう)を推進し、EDIの実質的な国内標準といわれているCIIシンタックスルールの開発・管理を行っていたが、2000年3月31日に解散した。その後の業務については同協会電子商取引推進センター(ECPC)が継承している。
U/Cモジュール、U/Cサーバー、U/Cサーバーモジュール(ユーシー・User Communication Module)
広告EDIセンターのサービスを利用するために使用するパッケージソフトで、利用社に無償配布される。U/Cモジュールは、WindowsNT、Windows2000、Windows2003と対応するAccessを組み合わせて使用する。2014年6月現在Windows7,Windows2008に対応、accessは不要
サブセット化
取引EDIでより多くのメリットを引き出すためには、申込・割付・送稿・請求のメッセージをすべて用いた運用が望まれる。しかし、これらのすべてのメッセージを用いなければEDIが行えないわけではない。実際に運用している組み合わせをサブセット化という。
サブセット化の例:(1)申込、割付、請求(請求、修正)、(2)申込、割付、請求(請求)、(3)申込、請求、(4)申込、割付、(5)申込、割付、送稿
シンタックスルール(syntax rule)
EDIにおけるメッセージ(データ項目で構成)の組み立て方、データ項目を構成する数字や文字の並べ方に関するルールを一般的にシンタックスルールと呼ぶ。シンタックスルールには、国・地域や業界によっていくつかの規格があり、代表的な規格としては以下のものがある。
CIIシンタックスルール - 日本の標準。JIS X 7012
EDIFACT - 欧州で開発。ISO 9735、JIS X 7011
ANSI X12 - 米国の標準。
新聞業界で使用しているCIIシンタックスルールは、1992年に日本情報処理開発協会(JIPDEC)の産業情報化推進センター(CII)が、国内標準として定め、1999年4月にJIS X 7012-1,-2,-3としてJIS化された。なお、CIIは、2000年3月31日に解散し、同協会電子商取引推進センターが業務を継承している。
支払予定・合計情報
標準メッセージのメッセージ種類の一つで、請求元大分類、請求元小分類単位の仕分け内訳を通知するために使用される。
支払予定・明細情報
標準メッセージのメッセージ種類の一つで、広告会社からの請求明細ごとの支払予定を通知するために使用される。
支払通知情報
標準メッセージのメッセージ種類の一つで、支払先企業ごとに支払総額、金種、期日、相殺情報などを通知するために使用される。
請求・予定情報
標準メッセージのメッセージ種類の一つで、申し込み情報1件ずつの請求予定額を新聞社から広告会社に通知するために使用される。請求予定額が変更になった場合、その都度新しい金額を通知する。
請求・修正情報
標準メッセージのメッセージ種類の一つで、請求額を変更する場合に新聞社から広告会社に通知するために使用される。
請求・合計情報
標準メッセージのメッセージ種類の一つで、請求額の合計を新聞社から広告会社に通知するために使用される。
請求・訂正情報
標準メッセージのメッセージ種類の一つで、新聞社における訂正が必要と思われる案件について使用される。
請求・訂正承認情報
標準メッセージのメッセージ種類の一つで、新聞社内で訂正情報の調査を行い、その結果に応じて「OK」「NG」「保留」のいずれかを通知するために使用される。
請求・請求情報
標準メッセージのメッセージ種類の一つで、申し込み情報1件ずつの請求額を新聞社から広告会社に通知するために使用される。通常の請求書に相当する。
送稿・予定情報
標準メッセージのメッセージ種類の一つで、ディーラー切り替えなどで原稿が複数種類ある場合や、スポットカラーなどでインキ番号を事前に知らせる必要がある場合に、広告会社から新聞社に送信する。
送稿・原稿受領情報
標準メッセージのメッセージ種類の一つで、広告会社から送られた送稿・送稿情報に返答する形で、原稿受領済みを新聞社が広告会社に送信する。
送稿・申込照合情報
標準メッセージのメッセージ種類の一つで、新聞掲載に必要な原稿の情報(例えば、フルカラーの掲載申し込みに対し、フルカラー原稿とバックアップ用原稿が必要で、入稿締め切りはいつかなど)を、新聞社は原稿締め切り日以前に広告会社へ送信する。
送稿・送稿情報
標準メッセージのメッセージ種類の一つで、新聞社から送られた送稿・申込照合情報に返答する形で、送稿予定日や原稿ファイル名を広告会社が新聞社に送信する。
データタグ番号(data tag)
データ項目一つひとつに付与される番号で、データ項目の意味や属性を表すID。CIIシンタックスルール(JIS X7012)によってメッセージの交換を行う場合には、日本情報処理開発協会電子商取引推進センターが発番するデータタグ番号の取得が必要となる。申請機関に対しては、通常999個のデータタグ番号枠が割り当てられる。番号が足りない場合は、後日の追加申請も可能。日本新聞協会広告委員会は40,000番から40,999番までを取得している。現在、定義されているのは40,001番から40,182番(「新聞広告取引EDI標準メッセージ集」第1.3版)まで。
トランスレーター(transrater)
取引相手のコンピューターと自分のコンピューターが全く同じ仕組み(ソフトウエア)で構成されていることはまれなので、EDIを行うときは異なるコンピューターが同じ言葉(標準メッセージ)で話す必要がある。このとき、自社のコンピューターのデータを標準メッセージに変換したり、標準メッセージから自社のコンピューターのデータへ変換したりするソフトウエアがトランスレーターである。
ビジネスプロトコル(business protocol)
EDIを行う時の、交換するデータの種類、データの項目、タイミング、データのフォーマットの総称。新聞広告EDIであれば、データの種類には「申込」「割付」「送稿」「請求」「支払」などがあり、データの項目には広告主の名前や掲載希望日、原稿の大きさなどがある。データフォーマットはCIIシンタックスルールを採用している。取引先ごとにビジネスプロトコルを取り決めていたのでは新規接続やメンテナンスが大きな負担となってしまうので、ビジネスプロトコルの標準化はEDIを進めていく必須条件。
フリーユース、つかみ広告
取引EDIの標準メッセージを利用する際の取引形態の一つで、「(1)原稿内容が確定している、(2)広告主が確定している、(3)料金総額が確定している、(4)掲載面、掲載回数が未定、(5)掲載期間が確定している、(6)最低保証段数がある、(7)一括で申し込み、一括で請求する」ことが条件となる。通称「つかみ広告」。
標準メッセージ
一つのEDI取引において「注文年月日」「受注者」「発注者」など伝票に記載されるデータ項目で構成されており、一般的に伝票に相当する。それぞれの伝票には必要とされるデータ項目があり、これらのデータ項目をメッセージの種類ごとに取り決めたもので、それが業界で標準化されている場合、標準メッセージと呼ぶ。シンタックスルールとともに用いることで、具体的なメッセージが生成される。新聞広告取引EDIの標準メッセージ集には、「第1.1版」「第1.2版」「第1.3版」がある。
標準企業コード
日本情報処理開発協会電子商取引推進センターで管理運用する業界横断的な統一の企業コード。業界間のEDI取引の拡大に伴い、業界横断的な標準企業コードが不可欠となっている。2007年2月末現在、標準企業コードを取得している企業は2万3,118社。
マルチ明細
取引EDIの標準メッセージは一つの申し込みにつきユニークな申込番号を付け、割付も送稿も請求もこの番号を使用することになる。全国紙やブロック紙で、申し込み先の本支社が異なる場合、広告主など各本支社で共通の情報は共通部分へ、掲載希望日など異なる情報はメッセージのマルチ明細部分へ設定する。
申込・中止情報
標準メッセージのメッセージ種類の一つで、既に申し込み済みの情報を中止するために使用される。広告会社から新聞社に送られる。
申込・受付確認情報
標準メッセージのメッセージ種類の一つで、申込・新規情報、申込・変更情報、申込・中止情報に対する返答に使用される。受付可能なら「OK」が、情報不足などで受付不可能なら「NG」が新聞社から広告会社に送られる。
申込・変更情報
標準メッセージのメッセージ種類の一つで、既に申し込み済みの情報を変更するために使用される。広告会社から新聞社に送られる。
申込・新規情報
標準メッセージのメッセージ種類の一つで、広告会社から新聞社に対する新規申し込みに使用される。
割付情報
標準メッセージのメッセージ種類の一つで、割付状況を新聞社から広告会社に通知するために使用される。