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特集 リクルーティング広告の展開
2026.02.10

今回の特集は、企業や学校の人材募集での新聞広告の活用を取り上げます。
人材募集で新聞広告を活用することは、幅広いターゲットに対し認知度を高めるだけでなく、企業の事業内容や学校の特長を周知できるなどブランディングの点でも効果的です。最近では地域や業界の働き手減少という課題解決に寄与するための企画も見られます。
本特集ではまず、採用活動の傾向と企業の情報発信における課題などについて、株式会社マイナビの長谷川洋介氏からお話を伺いました。その上で企業(住友理工株式会社)、地方自治体(島根県)、大学(中央大学)から、新聞広告を活用した実例を紹介いただきました。
※地方自治体(島根県)、大学(中央大学)の事例紹介は順次公開します。

企業の魅力、保護者や大学に知らせるきっかけに

住友理工株式会社
広報IR部
寺田 憲司(てらだ・けんじ)氏

中日新聞社
メディアビジネス局ビジネス2部
長津 政宏(ながつ・まさひろ)氏

※2025年11月27日取材

――2023年度から始めた中日新聞メディアビジネス局企画・制作の「『住友理工で働くということ』現役社員×地元学生 ものづくり座談会」について
中日・長津氏:中日新聞の発行地域である東海エリアは、日本のものづくりを支える地域です。特に愛知県は製造品出荷額等総額が47年連続全国1位であり、自動車を主幹産業とする輸送用機械や鉄鋼、航空宇宙ロボットや陶磁器、繊維産業など幅広い製造業が集積しています。近年これらの業種で理系学生の採用に課題を抱える企業が増加していると感じており、地元企業の維持・発展のために新聞社らしく企業の懐に入るような座談会を企画しました。

当社では21年から東海地方の経済・企業情報に特化したウェブサイト「中日BIZナビ」を展開しており、その中に就活生向けページ「ニュースで勝つ!就活アカデミア」があります。企画にあたっては、日ごろからお付き合いのある住友理工様に、現役社員と地元学生との座談会を同ページと紙面で紹介することをご提案しました。学生は地元優良企業の取り組みを知ることができる上、実際に働いている社員と意見交換する経験は就職活動においてもプラスになります。企業にとっても学生の生の声を聞くことができ、新聞の活用によって学生の親世代にもエンゲージメントを高められると考えました。

住友理工・寺田氏:提案を聞き、学生には社会経験や就職活動の一助としてもらい、当社にとっては人材発掘や若い考えを取り入れることで、課題解決につなげられるのではないかと思いました。東海エリアでは自動車メーカーや部品メーカーが集中しており、学生から選ばれるための取り組みが活発になっています。座談会は学生に深くコミットした形で事業内容などの当社の強みをアピールできる点に、魅力を感じています。

さらに、東海地域で大きなシェアを占めている中日新聞の強みを生かし、学生だけではなく親・祖父母世代、大学関係者にもアプローチでき、当社のイメージ向上にも貢献できると考えました。社員のモチベーションアップに加えて、定着率向上という狙いもありました。

23年度に名古屋工業大学、24年度には岐阜大学との座談会の様子を掲載しました(※25年度は名城大学の企画を掲載=画像参照)。単発の実施にとどまらず、さまざまな大学の学生と座談の機会を作りたいと考えており、継続した企画によって、幅広い大学から積極的に採用したいというメッセージを発信することにもつながっています。

――広報活動に新聞広告を選んだ理由は
寺田氏:昨今SNSの活用など広報活動が多様化していますが、新聞が発信する情報は信頼性が高い上、形として残ることから家庭内の幅広い年齢層に訴求できます。親や祖父母世代の信頼度も高いので、こうした会社もあると学生本人に伝えてもらうことも期待できます。費用対効果を考えるとウェブ広告で直接ターゲットに届ける方法もあるかもしれませんが、これでは一方通行の発信になってしまいます。新聞広告は会話が生まれるきっかけになる点が魅力だと感じています。

――座談会に参加した社員・学生の様子は
寺田氏:座談会開催にあたっては、社員と参加学生の年齢差が開きすぎないために、できるだけ若手社員に出てもらいました。オファー当初は恥ずかしいと感じる社員もいましたが、実際に出てみると好意的に捉えてくれた人がほとんどでした。座談会では若手社員が学生の生の声を聞いて刺激を受けたり、学生の知見の深さに驚かされたりする場面が多々ありました。学生たちは自身の研究にとても熱心に取り組んでおり、その姿勢や熱意は社員も学ぶ部分が多かったと感じています。

参加した学生からは、「他の学生の考えを聞いて多くの視点に気づかされた」「縁の下の力持ちである部品メーカーの仕事を具体的に知ることができた」「実際に働いている社員の方の声を聞き身近に感じられた」などの声が寄せられました。当社の事業について丁寧に説明する機会を作ったことで、学生の会社への理解度が深まったと思います。学生からはSDGsやDE&I(ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン)などの質問が多く寄せられ、世界や環境問題に対する企業の貢献度を重視しているように感じました。

長津氏:座談会では社員の方が実際の製品を見せながら説明される場面もあり、学生も初めて目にして驚いている様子でした。終盤には緊張もほぐれてとても良い雰囲気になっていました。お互いにとって印象に残る有意義な時間になったのではないかと思います。

――広告の反響について
寺田氏:26年4月入社予定の学生の中には、帰省中に座談会の広告紙面を見てエントリーしてくれた人もいました。広告を見て当社を知ったこと、じっくり読み事業に興味を抱いてくれたこと、学生が帰省するまで家族が新聞を保存しておいてくれたことがエントリーにつながったと思います。

紙面掲載後は増し刷りを参加社員に配りました。親に見せたいという声も聞きましたし、記事を見た家族や祖父母から連絡をもらった人もいました。

学生の意識や希望は多様化しており、時間や場所を問わずインターネットで情報収集できるようになりました。その一方で、広報活動のアプローチの仕方には工夫が必要だと感じています。変化する学生のニーズをつかみつつ、広告活用も柔軟に対応していく必要があります。

長津氏:大学側からも、新聞広告を見た学生の親から喜んでもらった話を聞きました。学生にとっても、新聞に目を通す機会になっていると思います。

――新聞社に期待することは
寺田氏:新聞は媒体の特長に加え、これまで積み上げてきた販売網も強みだと思います。これを生かして、ターゲットとする方に現物やプラスアルファになるものを届けることができれば、デジタルの世界には見られないような付加価値が採用活動にも生まれると思います。新聞の信頼性の高さを生かすことで、デジタル空間でもさらなる広がりや工夫、面白い仕掛けづくりができるとありがたいですし、期待しています。

※紹介した広告企画はこちらからご覧いただけます
住友理工で築くキャリア【現役社員×地元学生・ものづくり座談会】※名城大学
就活アカデミア 企業が求める人材とは ※名古屋工業大学・岐阜大学・名城大学

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