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新聞大会会長あいさつ
第63回新聞大会 新聞協会長あいさつ
2010年10月15日
社団法人日本新聞協会 会長 内山 斉
第63回新聞大会を、ここ東京で開催することとなりました。
東京での新聞大会は1988年以来22年ぶり、12回目となります。
今回は、新聞広告の日記念式典を併せて開かせていただきました。広告主企業・広告関係団体をはじめ、製紙会社、新聞機材メーカーなど日ごろ新聞社がお世話になっている方々にもご参加を賜りました。ご多忙のおりにもかかわらず、ご出席いただいた皆様に厚くお礼申し上げます。これほど各界から多数の方々のご参加を得て、新聞大会を開くのは初めてのことです。今大会が日ごろ新聞社を支えていただいている方々と、私ども新聞社双方の対話の場となり、お互いの理解をより深める場になるよう祈念しております。
政治・経済がともに混迷し、税制、年金問題、少子高齢化をはじめ国民は日々の暮らしと将来に対し不安を抱いています。こうした時代にあって、政府の国家運営とその行方を監視し、論評していく報道機関の役割は、ますます重くなっています。国民・読者がつぶさに現状を把握し、未来を展望するためにも、中立・公正かつ国民の視点で正確に事実を伝え、問題解決の道を探る手がかりを提供することが、いま新聞ジャーナリズムに求められていると痛感しております。
今大会でも、顕著な成果を上げた活動に対し新聞協会賞が贈られます。それ以外の多くの新聞報道も、安定したよりよき社会を求める世論の先導役として、国民の生活・文化の向上に力を発揮しているところです。メディアは多様化していますが、こうした新聞ジャーナリズムの存在意義は高まるばかりです。
そのような負託に応えるためにも、自由な取材と報道が保障されることが何より必要です。報道の自由を脅かし、国民の知る権利に影響を及ぼすような、あらゆる動きに対しては断固たる姿勢で臨み、われわれの使命を果たしていく所存です。
わたくしどもは、長年培った読者の信頼と期待に応えるため、今大会で、健全な社会と民主主義の発展のためには新聞が不可欠であることを、ご参加の皆様とともに確認し合いたいと考えております。
2008年に告示された小・中学校の新学習指導要領には、国語、社会を中心に新聞の活用が数多く盛り込まれました。これは文部科学省はじめ教育関係機関に、新聞の教材化が言語能力の育成に欠かせないものであることを、あらためて認識していただいた結果であると考えています。今回の学習指導要領の改定を新聞界、そしてNIEつまり「教育に新聞を」という活動にとって確かな追い風とするためにも、教育界と新聞界が力を合わせた取り組みがこれまで以上に求められています。今後もNIEをより幅広く、より深く社会に浸透させるよう努力を続けてまいります。
日本新聞博物館も今年で開館10周年を迎え、次代を担う若者たちが新聞を身近に感じられる場として定着しております。延べ来館者数は56万人を超え、とくに小・中学校の団体見学や高校生の修学旅行が大きな割合を占めています。新聞文化の継承とともに、広く一般の方々に新聞の役割と重要性を理解していただくための施設として今後も運営してまいります。
新聞協会広告委員会が今年6月に発表した2009年全国メディア接触・評価調査結果によれば、新聞を読んでいる人は91.3%に上り、新聞は依然として人々の日常生活に欠かせない基幹メディアであることがあらためて確認されました。そして84.2%の人が新聞広告に日常的に接触しており、「企業の社会貢献への取り組み」「経営者・トップからのメッセージ」など社会に向けた企業の取り組みが伝わる広告として他のどのメディアよりも高い評価を得ています。
新聞協会は新聞広告の未曽有の不況に対応するため、広告対策特別委員会を新設し、「日本を元気にする」をテーマにキャンペーン企画に取り組んでまいりました。本年3月29日に、住宅エコポイントなど住まいに関する5つの新制度を伝える広告を、また8月27日には製紙会社5社を広告主とする「紙があって、よかった。」企画を、それぞれ協会加盟の各紙に一斉に掲載しました。
また本日、「新聞広告の日」記念式典で贈賞させていただく新聞広告賞は、新しい広告の可能性を開拓した広告活動を顕彰し、新聞と広告の発展に資することを目的に1981年に設けられたものです。30回の節目を迎える今年、広告主企画部門に新聞広告大賞を設けました。大賞作品をはじめ、新聞広告ならではの社会性とニュース性を生かした多くの広告に、新聞広告のさらなる可能性を見ることができます。
いま、新聞広告をあらためて活性化させるためには広告主企業、広告会社の皆様のご協力が欠かせません。皆様には日ごろのご協力に感謝申し上げるとともに、今後もいっそうのご支援をお願いする次第であります。
新聞界の長年の懸案事項であった販売正常化は近年、格段の進展を見ております。正常化の推進は、読者の信頼を確保するとともに、発行本社と販売所の経営効率化につながります。世界に冠たる戸別配達網、それを支える再販制度を守り抜くためにも必要です。
さらに、各社間の信頼関係が醸成されることで、共同配達・共同集金の拡大や、協調による新規事業の展開が可能となり、新聞経営の基盤をより強化することができます。販売部門に限らず、各分野での各社間の協調・共生の動きは、言論・報道機関としての使命を果たすため、相互の経営基盤強化という面で大きな成果を上げています。
一方、無購読者対策、現読者の維持も重要な課題です。新聞協会では各委員会が連携し、この課題に力を注いでおります。読んで幸せな気持ちになった新聞記事とコメントを寄せてもらう「HAPPY NEWS キャンペーン」もそのひとつです。このほか今秋から来年度にかけて、無購読者に新聞の魅力を伝えるインタビュー企画をはじめ、新聞が家庭の会話を弾ませるきっかけに最適であることを取り上げるなど、購読を促進するさまざまな活動を繰り広げる予定です。とくに国民読書年である今年は、文字・活字文化推進機構とも連携し、さまざまな活動を展開しております。
この新聞大会を通じて、ご参加頂いた皆様とともに、新聞の果たす役割と意義の大きさを改めて確認しあいたいと思います。
今大会の成功を祈って、私のあいさつを終えます。
ありがとうございました。
