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当事者個々の歩み伝えて 広島市立大・直野教授、被爆体験の継承で講演<広島で論説責任者懇>

 新聞協会の論説責任者懇談会が6月7日、広島市で開かれた。広島市立大広島平和研究所の直野章子教授が「被爆者になる―当事者性の再検討」と題し講演した。生存する被爆者の数が減り高齢化も進む中、「反核・反戦」を訴えてきた彼らの活動を継承するには、被爆者一人一人の軌跡を伝えることが必要だと述べた。被爆者の生きざまが人の心を動かすとし、新聞がそれを伝えてほしいと述べた。

 直野氏によると、1955年に第1回原水爆禁止世界大会が広島で開かれるまで被害者の苦しみは社会に知られていなかった。調査が進み被害の実態が明らかになるにつれ、当事者の間には「再び被爆者をつくらない」という目的意識が芽生えていったと指摘。「徐々に『反核・反戦』を使命とする被爆者という主体が作られ、被爆者運動につながった」と話した。

 被爆体験を継承するには「彼らがその使命を認識して活動するようになった過程を受け継ぐことが大切だ」と話した。1人1人の歩みを理解しなければ「反戦・反核」を訴えても当事者意識が生まれにくいとし「心を動かすのは被爆者の生きざま。新聞はこれを丁寧に伝えられるメディアだ」と語った。

 論説上の諸問題に関する懇談では、東京の豊田洋一論説室副主幹が「ニュースサイトの利用者が増える中、社説を課金対象にするべきか」と問題提起した。

 日経は1月から、原則午後7時に翌日付朝刊の社説を配信している。原田亮介専務執行役員論説委員長によると、無料にすると紙の購読者より先に誰でも読めることになるため、有料記事の扱いにしているという。

 無料公開している新潟の小林啓之論説編集委員室次長は、地元のアイドルグループ・NGT48のメンバーがファンと称する男に暴行された事件を取り上げたところ、全国から反響があったことを紹介。「ローカルな話でも、興味を引けば読まれる」と述べた。

 このほか写真家で尾道ユネスコ協会事務局長の村上宏治氏、自民党の石破茂衆院議員から話を聞いた。産経東京の乾正人論説委員長、中国の宮崎智三論説主幹が議長を務めた。懇談会はホテルメルパルク広島で開かれた。44社48人が参加した。

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