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情報との向き合い方問う 新型コロナ報道で緊急企画展 <ニュースパーク>

 ニュースパーク(新聞博物館)は7月18日、緊急企画展「新型コロナと情報とわたしたち」を始めた。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い緊急事態宣言の対象地域が全国に広がったことを速報した号外や、見物客がいない桜の名所の報道写真など、社会の急変を伝える資料を163点展示している。ウイルスを巡るデマや差別などが広がる中、情報との向き合い方やメディアの役割を考える機会を提供する。

 中国で原因不明の肺炎がはやっているとの短信(元日付読売)、東京五輪延期を報じた1面記事(3月25日付毎日)、緊急事態宣言拡大を伝える号外(4月16日付岩手日報)などでウイルス禍の急激な広がりを振り返る。

 トイレ紙の供給に問題がないと分かっていても買いだめに加わる人の心理を伝えた記事(4月6日付日経)も展示した。紙不足のデマを打ち消そうとするソーシャルメディア上の投稿がかえって「デマを信じる人がいる」という不安をあおり、買いだめに駆り立てる―との内容。

 デマへの対応に関する有識者の意見もパネル展示した。藤代裕之法政大社会学部教授は「不確実な情報をゼロにすることはできないが、自らが拡散者にならないことで『デマ』が社会に広がることを防げる」との言葉を寄せた。

 日々のニュース報道にとどまらない新聞社の取り組みも紹介した。インターネット上の真偽ないまぜの情報を検証した記事(6月2日付毎日)やウイルス禍を乗り越えるための提言報道(6月22日付読売)など。

 企画展示室前のホワイエには、乗客がいないJR山手線の車内(5月3日付報知)や休校措置による突然の卒業に涙ぐむ児童の姿(3月2日付東京)などを収めた写真が並ぶ。東京写真記者協会の協力を得た。企画展は9月27日まで。

緊急企画展「新型コロナと情報とわたしたち」

(2020年7月18日)

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