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事業費の上限記載必要 NHKネット基準案に意見 メディア開発委

 新聞協会メディア開発委員会は10月14日、NHKの「インターネット活用業務実施基準」に関し、事業費の上限を記載しないとする改定案は「到底認められない」との意見をNHK経営委員会に提出した。「受信料収入の2.5%」の枠を外し、必要な額を中期経営計画に記す案は、費用の明示を求める総務相の認可条件や、抑制的な事業運営を要請した放送法改正時の国会決議に応えていないと指摘。これまで通り事業費の上限を実施基準に明記し、抑制的に運用するよう求めた。

 NHKは9月、2021~23年度のネット事業費に受信料収入の2.9%程度を充てる計画を改定案と併せて公表した。メディア開発委は、改定案がこのまま認可されれば、放送の補完であるネット事業の「野放図な拡大を招きかねない」との懸念を示した。21年度に58億円、22、23年度は66億円を見込む放送番組の常時同時配信などの費用は圧縮の余地があるとし、詳細な試算を示すよう求めた。

 ネット事業の検討に当たっては、民放や新聞・通信社との公正な競争環境の確保にも努めるべきだと訴えた。安定した受信料収入を持つNHKが肥大化すれば、民間のデジタル事業に多大な影響を及ぼすと指摘。放送法の趣旨である言論の多様性維持のためにも抑制的な事業運営が求められると説いた。

 改正放送法で番組の同時配信や見逃し配信ができるようになったことから、ネット配信で放送番組を補完する「理解増進情報」の枠組みは「基本的に必要ない」との考えも示した。その在り方について検証するよう要望した。

 意見書全文はこちら

(2020年10月14日)

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