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<NIE全国大会・特別分科会>デジタル教材 質向上へ 教育委員会・学校との連携が鍵 新聞3社など

 二日目の特別分科会では、朝日新聞社、北海道新聞社、愛媛新聞社の各担当者が学校向けに提供するデジタルサービスの課題などについて教育関係者と話し合うパネル討議を実施しました。新聞社側からは「教育委員会や学校との連携を図ることで質の高い教材作成につながる」との指摘がありました。教員ごとのサービスに対する習熟度の差を埋めるために、導入後も新聞社が学校現場の要望を聞き、コンテンツの強化につなげることが重要だとの意見も上がりました。

 朝日新聞社の白銀泰CSR推進部NIE事務局長、北海道新聞社の仁木琢磨みらい教育推進室部長、愛媛新聞社の中井寛総務企画局次長兼地域ラボ推進室長が登壇。新聞協会NIEアドバイザーで今治市立近見中の津吉優樹教諭も議論に加わりました。司会は松山市立東中の山内孔校長が務めました。

 各社はサービスの導入に向け、教委や教員対象の研修会での説明などに取り組んでいることを紹介しました。中井氏はサービスを取り入れた各校の実践例などを伝える資料を毎月発行していると説明。自社から教委に持参し学校への配布を依頼しているといいます。山内氏は「学校側も改良してほしいコンテンツについて新聞社に伝えるなどし、サービスの充実につなげることが大切だ」と呼び掛けました。津吉氏はサービスの使い方に関する解説動画があれば、研修に臨む教員の負担軽減も図れると話しました。

 白銀氏は学校向けデジタルサービスについて、「教材作成の専門企業から新興企業までが集う『レッドオーシャン』だ」と説明しました。新聞社のサービスが教員から支持を得るには、新聞記事が再評価される機運を社会全体で高められるかどうかが大事だとしました。仁木氏は「デジタルサービスを通じて教員が新聞に関心を持つ機会を作り、NIEの裾野を広げたい」と語りました。

 小中高校と特別支援学校の教員による公開授業や実践発表も開かれました。愛媛県立伊予高は、県の特産品である「はだか麦」の知名度を上げる方策を記事から考える公開授業を開きました。

(2023年8月4日)

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