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記事対価 算出基準説明を IT大手に協議求める 公正取引委報告書巡り新聞協会見解

 新聞協会は10月5日、公正取引委員会が9月に公表したプラットフォーム事業者と報道機関との取引実態に関する報告書への見解を公表しました。インターネット上の健全な言論空間を守るため、新聞社発の記事などを集めて配信する事業者らに対し報道機関と真摯に協議するよう求めました。事業者が報道機関に対し、記事の配信を通じて得た広告収入の総額などを開示し、記事使用料の算出基準を説明すべきだと訴えました。

 報告書はニュースポータルサイトを運営するヤフーなどの事業者が報道機関との関係で独禁法上の「優越的地位」にある可能性を指摘。事業者が報道機関に著しく不利な取引を押し付けることは独禁法違反の恐れがあるとしました。使用料の根拠となるデータや算出方法の開示を事業者に促しました。

 また、使用料の算定に当たり「広告収入以外に生じる事業者の収益への貢献の程度も反映することが望ましい」としました。新聞協会はこれを踏まえ「ニュースコンテンツが持つ集客効果などの価値に十分配慮した配信料とする必要がある」と主張しました。

 公取委はネットの検索結果ページで表示される記事の要約の一部(スニペット)などを閲覧し、内容を理解している消費者が一定数いると説明。検索事業者と報道機関との間で、スニペットなどについて「対価の取引条件の設定を含め、共通認識が得られることが望ましい」としていました。新聞協会は海外で検索事業者やSNS事業者がスニペットなどでの記事使用料を報道機関に支払うことを義務付ける動きが広がっていると説明。「検索事業者は国内の報道機関とも対価の交渉に応じるべきだ」と強調しました。

 取引を適正化するには「現行の法制度では限界も見える」と指摘。「法制度の在り方を見直す」ことも視野に入れ、政府に働き掛けるとしました。

 ヤフーは10月1日、親会社のZホールディングスとその傘下のLINEなどと合併し、新会社「LINEヤフー」を設立。新会社がニュースポータルの「ヤフーニュース」などを運営します。新聞協会はニュース流通市場での寡占への懸念を踏まえ、公取委に「同社の動向に一段と注意を払ってほしい」と注文しました。

 見解の全文はこちらでご覧いただけます。

(2023年10月5日)

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