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著作権法の改正必要 知る権利阻害に警鐘 生成AI巡り考え方公表 新聞協会

 新聞協会は10月30日、生成人工知能(AI)に関する「基本的な考え方」を公表しました。民主主義の基盤である良質な報道コンテンツなどインターネット上の大量の著作物を生成AIが無断で収集していると指摘。無断利用が進むことで報道機関が経営に打撃を受け、報道コンテンツの提供が滞れば国民の「知る権利」を阻害しかねないと主張しました。「政府は著作権法の改正を含め、技術の進化に見合った適切なルール整備を急ぐべき」だと訴えました。

 著作権法30条の4は、AIなどの技術開発の過程で著作物を原則無許可で収集・利用することを認めています。新聞協会は報道各社の知的財産が「タダで取られ放題になっている」と強調。30条の4が導入された2018年当時、生成AIの影響は想定されていなかったとし「法制度が現状の技術革新に追いついていない」と指摘しました。

 30条の4が著作権者の許諾を不要とするのは人の知的、精神的欲求を満たす目的には使われない「非享受目的」での場合に限ります。新聞協会は検索エンジンと生成AIを組み合わせてコンテンツを生み出すサービスを挙げた上で「非享受目的」と解釈するのは「無理がある」と訴えました。解釈を明確にすべきだとしました。30条の4は「著作権者の収益機会を損なわないこと」が導入の前提だったはずだと強調しました。

 30条の4はただし書きで「著作権者の利益を不当に害する場合」には無許諾の利用を禁じています。新聞協会は生成AIが報道コンテンツをネット上で収集することについて、新聞社が手掛ける記事データの販売市場と衝突しているとした上で「著作権者の利益を不当に害する」可能性が高いとの見解を示しました。「不当に害する行為」の範囲を明確にすべきだと政府に求めました。

 「30条の4がある限り、報道コンテンツへのタダ乗りが広がっていくのは避けられない」と主張。法改正により「AIによる『学習』を著作権者が拒否したり、利用時に著作権者から許諾を得たりする仕組みの整備が必要だ」と訴えました。

 また、生成AIのサービス提供者らに報道コンテンツを含む著作物を軽微な範囲で利用することを認める著作権法47条の5にも言及。「軽微利用」を超えていると疑われる事例が多いと指摘しました。その上で、現状を放置すれば記事などの「無秩序な利用に拍車をかけるのは確実」と断じました。同法の厳格な運用などを検討すべきだとしました。

 「考え方」の全文はこちらでご覧いただけます。

(2023年10月30日)

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