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風化防止 報道の責務 教訓伝える工夫討議 関東大震災展でニュースパーク

 ニュースパーク(新聞博物館)は11月26日、関東大震災100年の特集に携わった記者が、当時の教訓を読者に伝える際の工夫などを討議するシンポジウムを開きました。100年前に流言が飛び交ったことなどは、SNSが発達した現代にも通じる問題だとの指摘がありました。「過去の災害」として風化させないために報道機関が啓発することが重要だとの声が上がりました。

 毎日新聞社は1月、震災当時は群馬県に住んでいた110歳の男性が証言する様子を動画で公開。関谷俊介社会部副部長は動画について「再生数が伸び、動画投稿アプリを通じ若年層にも視聴された」と紹介しました。一方、被害が大きかった地域で当時の記憶を話せる生存者を見つけることの難しさにも言及しました。

 朝日新聞社の北野隆一編集委員は「証言者がいなくても、資料を掘り起こすことで当時の記憶を伝え続けることはできる」と指摘。静岡県伊東市での津波の被害を捉えたフィルムが都内で見つかったことを報じる記事(8月27日付)を紹介しました。

 技術の進歩による災害報道の課題についても意見が出ました。日本赤十字社東京都支部が8月、生成AI(人工知能)に震災の証言を読み込ませ、新たな「証言」を作り出すという趣旨の展示会を企画したところ、「記録を捏造している」などの批判を受け、中止となりました。読売新聞東京本社の伊藤崇社会部主任は、こうした事例を念頭に、AIが生み出す不確かな情報に記者自身も惑わされないよう注意する必要があると強調しました。神奈川新聞社の渡辺渉報道部長は、新聞社には災害時の流言を自社のSNSで迅速に打ち消す役割が求められていると話しました。

 イベントは関東大震災に関する企画展の一環。司会は東大の廣井悠教授が務めました。42人が参加しました。

 企画展の概要はこちらでご覧いただけます。

(2023年11月26日)

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